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魔王になるには?  作者: 水原慎
第四章 決着
271/312

2-9 『趣味が悪い』

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

「!?」

 異変を感じたレガートの表情が歪んだ。

 アルは一瞬で裂け目を閉じた。再度の光の展開でレガートの槍は先端を固定された。内側の光球をそのままにし、アルは外側の光球を高速で回転させた。光球に挟まれた槍の先端は折り取られ、外側の光球を包囲していた他の槍は弾け飛んだ。アルは光球を後方に急速に移動させ、大きな円を描きながら地面に着地した。アルは内側の光球を広げ、外側と一体化させると残っていた槍の先端を排出した。離れた場所でアルとレガートが睨み合った。

 レガートが笑った。

「切りがないな」

 再びレガートは六枚の翼を広げた。

「こいつの利点は二つある。一つは死角がないこと。もう一つは、両手が使えることだ」

 下側二枚の翼の一部が両刃の剣に変わり、レガートの手に移った。

「おれは、どうしてもおまえを殺したい。おまえにも二つの目的がある。決着はつけなきゃなるまい」

 レガートを注視していたアルが言った。

「その前に一つ訊いておく」

「?」

「リアの髪飾り…、あれはおまえが贈ったものか?」

 レガートはかすかに眉根を寄せ、息を抜くように笑った。

「そうさ。随分と前のことだがな。最初に渡した時は『趣味が悪い』って言われたよ。それでも次の日、あいつの髪に見つけた時は嬉しかったものさ。…今となってはどうでもいい話だ」

 二つの剣先をレガートが合わせた。硬く、乾いた音がした。

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