2-6 勝利のために手段を選ばぬ冷徹さ
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
「勝負なんて勝てばいいのさ。手段なんて関係ありゃしない。勝利のためには手段を選ばぬ冷徹さ。それこそが王たる者の証だ!」
光球の中からアルが鋭い視線を投げた。
「それが、院長の問いへのおまえの答えか?」
「そうさ。それ以外に何があるっ!?」
槍の大きな一突きがあった。
「王選びも同じさ。負ければお仕舞い。結果が全てだ。おまえもリアも甘いんだよっ! 過酷な現実を自分の死で味わうがいい! おまえも、おまえに関わったやつらも、おれの力で全部否定してやるっ!」
レガートが槍の一つを持ち上げた。アルが開いた手を突き出した。
「!?」
レガートが翼の形を元に戻した。全ての翼を体の前にかざす。アルの手から放たれた多数の光の弾は、激しく翼に当たって弾けた。アルは光球を壁から剥がすと横に逃れた。脱出に成功していた。
束縛から抜け出したアルは、遠距離からの攻撃に切り替えて反撃した。移動しながら両手を使い、多数の光の弾を打ち出した。連続した光弾がレガートを襲った。
レガートは翼を使って空中に逃れた。上二枚の翼を使って空中で高速に移動し、中の二枚を盾にした。下の二枚で鋭く尖った多くの槍を作り出すと切り離して打ち出した。高速で移動しながらの遠距離バトルが二人の間で展開した。