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魔王になるには?  作者: 水原慎
第四章 決着
259/312

1-21 アダラン

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 レガートの大きな声が後ろから追ってきた。

「叶いもしない夢が、父親の死よりも大切かっ!?」

「―」

 アルが身を翻して駆け出した。

「アル!?」

 リアが呼び止めようとした時には遅かった。アルはレガートに駆け寄っていた。スカーフをむしるように解くとレガートの胸に叩きつけていた。レガートが空中でスカーフを掴み取った。

 リアはバスケットも放り出して二人の元に駆けつけた。

「何てことを…」

 レガートと睨み合うアルを見て呟いた。驚きと悔悟の念に支配されていた。

 小馬鹿にしたような笑い声を一つ、レガートが出した。

「分かっているのか、貴様? 自分のしでかしたことが」

 レガートの言う通りだった。リアは心の中でアルの行動を責めていた。

 アルがやったことはアダランの申し出だった。胞奇子のみに許された、ある種の決闘だ。紅いスカーフを外して相手の胸元に投げつける行為は、『おまえの心臓をこんな色で染めてやる』という宣言だった。

 決闘の理由に制限はなかった。王になるために相手が邪魔だったから。存在そのものが気に食わない。単なる気まぐれ、退屈しのぎ。理由は何でも構わない。

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