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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
234/312

4-22 ギーツのリタイア

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 アルとリアは、本棟近くの広場に並んで立っていた。

 二人から離れた場所には、くつわをつけた巨大な鳥がいた。ゲフィラ・オル並みの高さのある鳥はフォル・グリンといい、旅客船と太いロープで繋がれていた。頭の上には手綱を持つ操縦者の姿があった。フォル・グリンは人や物を運ぶために使われることの多い運搬用の鳥だった。

 旅客船は横に膨らみのある厚い円盤の形をしていた。人なら十人程度は搭乗できる大きさだ。地面に着く底部以外は帆布でできており、横部分には小さな窓が並んでいた。

 鳥につながれた旅客船は搭乗者がやって来るのを待っていた。搭乗者はギーツとナヤカだった。

 リアとナヤカが死闘の場に到着したのは決着がついた後だった。廃墟に向かった二人にはそれぞれ別の妨害が入り、到着を遅らせた。リアの場合は、宿泊棟で襲ってきたシャスカと調制士とのリターンマッチだった。ケリをつけて駆けつけた時には、ギーツを担いで歩くアルの姿があった。

 ギーツを侵した毒はドロスの言葉通り悪質だった。毒の相転儀は通常、魔力の供給源である術者が死ぬと消滅する。ギーツの中に入り込んだ毒は、施術者が滅んでも稼動するよう念入りな細工が施されていた。治癒室での治療では取り除くことができず、かろうじてできたのは傷の回復だった。王選びの継続は断念するしかなかった。

 アルとリアの目前にある旅客船は、解毒のためにギーツを王都に運ぶ目的で用意されたものだった。王選びの期間、胞奇子も調制士も求法院を離れることはできない。許可無く求法院から抜け出た者は、理由の如何を問わずリタイアしたものと看做される。長期に渡って離れた者も同様だった。ギーツの離脱は明確にリタイアの条件に当てはまっていた。

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