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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
233/312

4-21 ドロスの消滅

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 アルは光球を解除すると両腕を広げた。両腕を斜めに広げた姿でドロスのいる方角を向いた。アルの体の前面、手の間の空中に光が凝縮して現れた。球体となった光の塊は拡大し、広げた腕全体の大きさまで巨大化した。光の巨大化に同調してアルの額には裂け目のような相成斑が現れていた。鋭く縦に割れた相成斑は、アルの操る光のごとく白く光った。

 ドロスが小馬鹿にした表情をした。アルの意図を見抜いたかのようだった。

「オレ様と力比べしようってのか? いいぜ。やってやるよ。カス同士、仲良く冥界へ落ちなっ!」

 ドロスが両腕をアルに向けた。同時に腹部と脚の棘も起き上がり、先端を前へ向けた。無数の棘は急速に膨張し、合流して融合すると一つの巨大な岩塊となった。太く尖った岩塊は、巨大化したドロスと同様の長大さを有していた。

 悲鳴にも似た大きな声をアルが出し、光球が打ち出された。

 野太いかけ声をドロスが出した。鋭く巨大な岩塊がアルに向けて発射された。

 光球と岩塊が空中で激突した。

 光球と岩塊の激突は激しい光と衝撃を生んだ。光は真昼の陽光を打ち消して森を白光で埋めた。衝撃は鋭く空間を切り裂いた。

 一瞬の間、光球と岩塊は拮抗した。

 次の瞬間に拮抗は崩れた。岩塊の先端に亀裂が入り、亀裂を端緒として先端が崩壊した。崩壊は瞬く間に全体に及び、微塵に砕けた岩塊は光球に飲み込まれた。光球は打ち出された速度を維持してドロスに激突した。

 短く太い呻きをドロスがあげた。両腕を突き出して光球を受け止めていた。

 苦痛を示してドロスが長く呻いた。光球の光に照らされた顔は歯を剥き出して歪んだ。両腕が光球に押し戻されていた。

 ドロスの手が崩壊し始めた。呻きは野太い悲鳴に変わった。崩壊はドロスの体全体に及び、悲鳴は光の中にかき消された。

 ドロスの全てを飲み込んだ光球は、背後の森を吹き飛ばしてなお、空高く飛翔した。

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