4-18 光の爆発
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
ドロスが一声笑った。
「いらねえって言っても、ここで負けりゃあ意味ねえぜっ!」
言い捨てるのと同時にアルに向かって突進した。猛スピードでアルに迫った。
アルはドロスの突撃を横に体を滑らせることでかわした。すれ違いざまに剣をドロスの脚に突き立てる。剣は、軋るような音とともに表面で弾かれた。
「―!」
アルが目を見開いた。ドロスが巨体にそぐわぬ急制動をし、潜り込むような動作で上半身を回転させた。次の瞬間には、アルはドロスの右腕に捕らわれていた。持ち上げられたアルが呻いた。
「残念だったなあ。てめえのようなやつがやりそうなことはお見通しさ。この姿になったオレ様は、見た目とは逆にスピードが増すのよ」
残忍な笑いをドロスが浮かべた。
「潰れちまいな」
ドロスの右手に力がこもり、アルの呻きが大きくなった。
「!?」
ドロスの顔が怪訝に歪んだ。歯を食いしばったアルが視線を向けるのと時を同じくして手の平との間に光が発生した。光は、アルの気合いの一声とともに爆発した。
今度はドロスが呻いた。目を眩まされ、光の圧力で指を弾かれてアルを手放した。解き放たれたアルは、空中で光の球をまとうと地面に降りつつ距離を取った。剣は出したままだった。
ドロスが舌打ちした。
「そういう使い方もできんのか」
憎憎しげにアルを睨んだ。