228/312
4-16 今日で仕舞いだっ!
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
「ドロス・ゴズン―」
「あ?」
「―貴様の調制は、今日で仕舞いだっ!」
ギーツが叫んだ。瞳は怒りで燃えていた。
「お仕舞いなのはてめえだよ!」
ドロスがギーツを踏んでいた足を持ち上げ、再び勢い良く踏み下ろした。ギーツは体を逃し、スティックを横に払った。
わずかな動作でドロスは攻撃を避け、ギーツの手を蹴飛ばした。スティックが弾かれ、遠い場所で硬い音を立てた。ドロスがギーツの左腕を踏みつけた。骨の折れる鈍い音がし、ギーツが呻いた。
「高貴なオレ様の腕を飛ばしやがったんだ。殺す前にてめえの腕も同じ目に合わせてやる」
残忍な笑みをドロスが浮かべ、足に力を入れた。身を捩るギーツの呻きが大きくなる。
「もうちょっとで千切れるぜえ」
さらに力を込めようとするドロスを制止する声があった。
アルだった。
「やめろ、ドロスっ! それ以上は許さないっ!」
声とともに、アルが立っていた場所から踏み出した。