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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
227/312

4-15 女はオレ様がもらってやる

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

「こうなると自慢の相転儀も意味ねえな。オレ様の突撃を止めたのは褒めてやる」

 ドロスがさらに圧力を加えた。ドロスと地面の間に挟まれたギーツの口からさらなる声と血が溢れた。

「ギーツ!!」

 アルの叫び声がした。ドロスが馬鹿にしたように笑った。

「オラ。やせ我慢せずに助けを呼べよ。二人いっぺんに片づけてやる」

 ギーツはドロスを睨みつけ、歯を食いしばって抵抗した。スティックを持つ腕の震えが力の拮抗を示していた。

「さっさとくたばれ。おまえが死んだら、女はオレ様がもらってやる」

 ドロスの言葉に反応し、ギーツの表情が一瞬動いた。

「オレ様のは駄目だ。調制士のくせにオレ様のやり方に反抗しやがって。ちょいとお仕置きしてやったら壊れちまった」

 二人の力の衝突が激しさを増した。踏みにじるドロスの体の動きとギーツの抗う腕の震えが強まる。

「あの女との楽しみ方は、もう考えてあるんだ。手も足も利かねえようにしちまってよお。腹ぁ、かっ捌いたところへ突っ込んでやるんだ」

 ドロスの圧力に耐えながら、ギーツが呻くように言葉を搾り出した。

「て、め、えっ」

「あの冷静できれいなお顔がよお。オレ様の体の下で泣き喚くところが見たいんだよお。さぞかし、いい声で鳴くんだろうなあ。たまらねえ」

 ドロスが低く泡立つような含み笑いをした。

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