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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
221/312

4-9 ギーツの攻勢

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 ギーツが仕掛けた。ドロスに向かって駆けるとスティックを大きく振り上げた。

 二つの岩塊とスティックがぶつかった。

 ギーツが先端を返し、下から振り上げた。ドロスが右の岩塊で迎撃する。ギーツとドロスは数度の打ち合いを繰り返した。

「!?」

 その内にドロスの表情に疑念が浮かび上がった。スティックによる打撃は一撃ごとに鋭さと重さを増し、ドロスを翻弄し始めた。付属する平たい尖りが欠け、岩塊の表面が徐々に削り取られた。受け止めたドロスの腕は打撃の方向へと弾かれ始めた。

 幾度目かのスティックの打撃によって右の岩塊が砕け散った。返す先端でギーツはドロスの左腕を切り落としていた。肘で断たれた左腕と岩塊が地面に落下し、平たい尖りをめり込ませた。バランスを崩したドロスもまた背中から地に落ちた。重い音が二つ、響いた。

 ドロスの悲鳴がこだました。

 残った右手で肘を押さえ、倒れたまま身をよじり、呻いた。苦痛の表明だった。押さえた太い指の合間から鮮血が滴り、地面を赤く汚した。

「…き、汚えぞ。…何だ、その棒っ切れは?」

 地面を必死で蹴り、後ずさりながらドロスが上体を起こした。顔は歪み、脂汗が滲んでいた。肘からの血の流出は止まりつつあった。岩塊を現した時のように肘を岩が覆い始めていた。

「汚い? 汚えのは、てめえの心根とやり口だろ?」

 ギーツがスティックを一振りし、血を払った。

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