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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
214/312

4-2 ギーツの到着

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 アルの背後につくドロスが目を細めた。右の手に動きがあった。肘から先に岩がウロコ状に張りつき始めていた。肘先を覆い尽くした岩は手に及び、丸く塊を作った。歪な形のまま塊は巨大化していく。ドロスの胸周りにも匹敵するほどに成長した塊には、平たく尖った岩が放射線状に並んでいた。ドロスは岩の塊を腕ごと静かに振り上げた。アルに気づいた様子はなかった。

 ドロスが残忍な笑みを浮かべた。

 ―!

 刹那、空中を鋭く飛来した物体に二人の胞奇子は緊迫した。

 アルは斜め前方から飛んできた物体を身を翻して避けた。ドロスはわずかに身を引き、歩みを止めた。飛来した物体はドロスの足元に突き刺さっていた。

 十一の角の断面を持つ金属製のスティックだった。

「そいつから離れろ、アル」

 木の間に消える道の先から姿を現したのは、ギーツだった。

「ギーツ、どうして―」

 ギーツを見やり、ドロスへと顔を向けたアルの表情が固まった。ドロスの腕には凶悪な岩の塊が出現していた。

 ギーツが鼻を鳴らした。

「結局、てめえが元凶か? ドロス・ゴズン」

「いや、これは―」

 ドロスは一瞬たじろいだ風を装い、近くにいたアルへと腕を振るった。大きな吼え声と同時だった。

 アルはドロスの攻撃を飛び退ってかわした。岩塊は空を切り、地面を叩いた。大きな打撃音とともに土塊が飛んだ。

 続いて、ドロスは岩塊を地面から引き剥がす勢いのままに、突き刺さっていたスティックへと腕を振った。岩塊に弾かれたスティックは回転しながらギーツを目指した。ギーツは難なくスティックを受け止めた。

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