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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
198/312

3-21 首に巻きついた物

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 救出に向かっていたリアの首に、突如、何かが巻きついたのは森に近づいた時だった。

「!?」

 先を急いでいたリアは不意を突かれた。ナヤカがいなければ、危うかったかもしれない。

「リアっ!?」

 ナヤカが異変に気づいた時には、リアは上空に引き上げられていた。ナヤカが黒い球体を放った。

「―!」

 唐突に首筋にかかる圧迫感が消失した。リアは高みからの落下をどうにか持ちこたえた。全身のばねを使って落下の衝撃を殺すと地面に手をつき、咳き込んだ。

「大丈夫ですか、リア?」

「…ありがとう」

「いいえ」

 緊張感とともにナヤカが周囲を見回す。リアを襲った正体不明の何かはナヤカの相転儀が切断していた。それは、あらかじめ髪飾りを取り去っていたリアの髪にも絡みついていた。リアは立ち上がると首筋に手をやり、引き剥がした。指に幾本もの細い糸状の物がまとわりついて見えた。

 髪の毛?

 リアの手が引き剥がしたのは、灰色をした縮れた人の髪だった。

 足音がした。

 顔を上げると森の入り口に一人の男性種が立っていた。

 大きく波打つ長い髪が目につく男だった。髪の色は黒く濁った灰色だ。数条の髪がほつれて肩口にかかっている。身にまとっているのは求法院の制服だった。

 引き絞ったような長身に長い手足をしていた。尖った顎の骨の線がひどく目立つ。高い鼻の上で黒光りする細い目が笑っていた。

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