3-18 命を奪う決意
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
何度目かの回避行動の後、アルは落下してきた木の直撃を受けた。時間差で追い詰められた果ての出来事だった。木の下敷きになった光球の動きは停止した。
何を予感したわけでもなく、アルは木の下から脱出した。じっとしていれば危ないのは分かっていた。抜け出した瞬間、それまでいた場所をゲフィラ・オルの脚が踏み潰し、木は粉々に砕け散った。留まっていれば受け止めきれたかどうか分からない。
逃げ回ってたんじゃ、勝てない。
逃走しながら、アルは再度の反撃を決意した。
流れを変える必要があった。しかし、アルの中には躊躇も存在した。アルにとって他の生命は生きるために殺すものだった。島で暮らしていた時も、自分たちで食べるものと売って金に換えるもの以外獲ったことはない。殺すために殺したものは虫ぐらいだった。それでさえ、やむを得ない場合だけだ。
―ごめん。
アルは相手の命を奪う決意を固めた。再び光の剣を出現させる。今度もうまくいった。すぐに収めると間合いを計った。