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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
184/312

3-7 宣始式は宣死式

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

「魔族らしいやり口ね」

「だろ?」

 楽しそうにギーツは笑った。

「そんなに楽しそうにしないでよ。今まさにトラブルに遭ってるのはぼくたちなんだよ!?」

「そう言われてもなあ。実際、楽しいものはどうにもならんな」

 アルを見やるギーツの顔は笑ったままだ。

「どこが楽しいのっ!?」

 アルの言葉は悲鳴のようだった。

「ようやく血の一年らしくなってきたじゃないか」

「まるで待ち望んでたみたいに聞こえるわよ?」

「待ち望んでいたのさ。宣始式は宣死式ってな。おまえさんも聞いたことがあるだろ? まさか、最終試練まで何事もなく過ごせるなんて思っちゃいまい」

 リアは刮目した。ギーツのことはずっと魔族らしくないと思ってきたし、今もそれは変わらないが、やはりこの男も魔族なのだ。生死のかかった状況を楽しんでいる。

 続いてリアはナヤカを眺めた。口を閉ざし、視線を伏せ気味にして座っている。見た目には何の感情の表出も見られない。ギーツの不穏な言葉に何の感慨も抱いていないかのようだった。

 …取り立てて騒ぐようなことではない、って感じね。

 リアは快活に笑った。

「あんたたちがいいなら、こっちもいいわ。やってやりましょう」

「決まりだな」

 ギーツとリアの間で合意が成立した。リアはアルに顔を向けた。

「アルもいいわね?」

「みんながいいなら…。だけど、二人の話を聞いてると、これが普通みたいに聞こえるんだけど」

「その通りよ」

 リアは明快に答えた。

「今まで王選びがまともに進行したためしはないっていうしな」

 ギーツが最後の一押しをし、アルの顔は大きく歪んだ。

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