177/312
2-31 考えついた嫌なこと
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
「―どうしたの、リア?」
アルの声でリアは我に返った。アルの心配そうな顔が目の前にあった。腕を掴まれて揺さぶられていた。
リアは慌てて取り繕った。
「ごめんなさい。…ちょっと、嫌なこと考えついちゃった」
「? どんなこと?」
「…お昼にギーツたちと一緒に話しましょ。それがいいわ」
「…いいけど。大丈夫? 顔が青いよ、リア」
「平気。早く部屋に戻ろ」
無理矢理笑顔を作るとリアはアルの腕を引っ張った。怪訝そうにしながらもアルは従った。
途中、警護員の詰所の前を通る時も、リアは険しい視線を投げかけながら通り過ぎた。
小さく息を抜けたのは、修理の済んだ自室に辿り着いた後だった。