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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
135/312

1-10 愛称で呼ぶナヤカ

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 適度な場所まで来るとアルは光球を解いた。中庭の片隅だった。

 アルの息が荒い。ナヤカはアルから手を放すと様子を伺った。地面の一点を見据え、口を使って大きく呼吸し続けている。疲労ではなく極度の興奮状態とナヤカは見て取った。グナエグとの邂逅は戦闘としては軽微なものだ。それでもアルにとっては精神的に相当な負荷となったようだった。

 アルを見つめるナヤカの中に一つの思いが芽生えた。

 ギーツと出会うことがなかったら、この方との関係も別の形をしていたのかもしれない…。

 その思いはナヤカの心を和ませた。

「ご気分が悪いのですか?」

「平気。大きな口を叩いたけど、闘うのは苦手なんだ」

 弱弱しく笑うアルにナヤカは穏やかな笑みで応えた。

「アルカシャ・クルグ。わたくしもアルと呼ばせていただいてよろしいでしょうか?」

「え? ああ、もちろん」

「アル、助けていただいて、ありがとうございました」

「逃げるぐらいしかできなかったけどね」

「そんなことはありません」

 続けようとした賞賛の言葉をナヤカは胸に仕舞った。謙虚なアルの人柄には相応しくないように思われた。

「では、アル、参りましょう。ギーツとリーゼリア、いえ、リアが待っています」

 アルが返事をし、二人は丸屋根の建物を目指して歩き始めた。

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