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魔王になるには?  作者: 水原慎
第三章 激突
127/312

1-2 他のペアの動向

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 他の胞奇子や調制士たちも、それぞれのやり方で日々を過ごしているようだった。

 ドロスは顔を合わせる度に朗らかに声をかけてきた。アルも打ち解け、今では『アル』、『ドロス』と呼び合う仲になっていた。勝手に調制の状況を語っては、最後に豪快に笑って去っていくのがいつもの慣わしだった。食堂では周囲に他の胞奇子や調制士を集わせて歓談している姿を幾度か見かけた。リアは気取られぬように観察していたが、金色の髪をした男性種はいなかった。

 王選びに参加した者は衝突するばかりとは限らない。調制の過程で意を通じ、王となった者が王となれなかった者を側近として使うことも稀ではなかった。死闘を経て莫逆の友となった話も伝え聞く。求法院に集った者たちの関係もいろいろだった。

 レガートとは冷めた関係が続いていた。食堂や庭園で冷たい視線に気づくこともしばしばだった。横には常に薄い笑いが張りついていた。

 ガルカとゾグナは相変わらず仲が悪そうだった。求法院の中で睨み合うように視線をぶつけている様子をよく見かけた。戦闘に至らないのが不思議な両人だった。互いの調制士がうまく抑制しているらしい。

 これまでの時間を思い返しながら、リアはいつもの丸屋根の建物に向かっていた。

 隣にアルはいない。食堂で待ち合わせて、前庭に向かっている最中にリアが忘れ物を思い出したためだ。

 取り忘れたのは紙のナプキンだった。布のナプキンを使い慣れたリアは見落としがちだ。口をついて出た言葉を聞くなりアルは駆け出し、止める間もなくいなくなってしまった。アルは足が速い。

 仕方なくリアは一人で前庭に向かっていた。胞奇子や調制士が単独で動いたからといっていけないわけではない。リアは気にすることなく前庭を目指した。

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