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魔王になるには?  作者: 水原慎
第二章 交叉
125/312

4-15 人の心の中も

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 アルが困惑したように言った。

「やめようよ! ぼくたちが言い争っても何の益もないよ」

「そうだな。ナヤカ、この程度じゃ、おれの方針は変わらん」

「…あなたがそう言うのなら」

 ナヤカはそれきり口を閉ざした。ギーツは息を抜くと立ち上がった。

「お互い少し冷静になった方が良さそうだ。今回はこのぐらいにしておこう。行くぞ、ナヤカ」

 ナヤカは、足元に置いてあったバスケットを手に持つと無言で席を立った。

 去り際にギーツはリアに声をかけた。

「リア」

「?」

「重ねて言うが、おれは友達の調制士にちょっかいを出したりしない。たとえ、どれほど美しくても、だ」

「見え透いたお世辞なんか残さなくていいわよ」

「お世辞なんかじゃない。おまえさんは美しいよ。おれのナヤカには敵わないがな」

「はいはい」

 あけすけな褒め言葉を口にし、自分の調制士に対する配慮も忘れない。この辺りは最初の印象通りだとリアは思った。

 リアの投げやりな返事にギーツは笑いを残して立ち去った。リアは、横に並んで歩くナヤカとの後ろ姿を椅子に座ったまま見送った。

 人の心の中も相転儀のように目に見えて、分かりやすくケリがつけばいいのに。

 リアは心の中で呟いていた。

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