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魔王になるには?  作者: 水原慎
第二章 交叉
120/312

4-10 甲斐性なし

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

 リアの憤激をギーツは笑って受け流した。

「何だ、違うのか?」

「当たり前でしょっ! この男のどこにそんな甲斐性があるってのよっ!」

 言い捨てるとリアは苛立たしげに鼻を鳴らし、腕を組んでそっぽを向いた。

 ギーツはさもおかしそうに喉を鳴らして笑った。その様子を薄く目を開けて伺ったリアは再び頑なに横を向いた。何事もないことを知った周囲の人々も姿を元に戻した。アル一人が居づらそうに首を竦めている。ナヤカは二人のやり取りを静かに見つめていた。

「まあ、実際のところは昨晩のゴタゴタだろ?」

 ギーツの言葉にリアは険しい視線を投げた。

「…その通りだけど。何があったか知ってるの?」

「詳しいところは知らないな。おまえさんの部屋で騒ぎがあったらしいことは分かる」

「あたしの部屋、知ってるんだ?」

「ナヤカから聞いてたからな」

 リアは無言でギーツを見つめた。しばらくしてポケットから白い紙の包みを取り出すとギーツに差し出した。

「これを見て」

「封筒? 決闘状…のわけはないか」

 おどけて封筒を受け取るギーツに対して、リアは真剣な表情を崩さなかった。

「封筒は部屋に備えつけの伝言用よ。中にあたしの部屋に侵入したやつが残していったものが入ってる」

「ふむ」

 ギーツが封筒を開けて指を入れる。何も感触が無いと知ると封筒の口を大きく開けて覗き込んだ。眉をひそめ、つまみ出した指の先に金色の髪が絡まっていた。ギーツは封筒をテーブルに置くともう片方の手も使って髪を張り、顔の前にかざした。

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