107/312
3-15 あとはフィーリング
長文なので分割してアップしてあります。
枝番のあるものは一つの文章です。
サブタイトルは便宜上付与しました。
ギーツが感嘆の声を洩らした。
「そうなのか。その話は聞いていないな?」
「わたくしの口から申し上げることではないと思いましたので」
ナヤカが初めて口を開いた。
「ふむ」
ギーツが考え込むような仕草をした。
「まあ、確かに相転儀の性質なら、おまえの方がおれより上だな」
「そのようなことをあっさりと認められては困ります」
ナヤカが変わらぬ無表情と口調で応えた。アルとリアには少し怒ったように感じられた。
「いいじゃないか。力の優劣は相転儀の性質だけで決まるわけじゃない。そうだろ?」
「それはそうですが…」
不服そうなナヤカをよそにリアが詰め寄った。
「あんた、知ってて選んだんじゃないの!?」
「いや。ただ単に可愛いかったんでね」
「…本気で言ってるの?」
「無論さ。ここにいるからには、どの娘も能力は保証されてるんだ。あとはフィーリングしかないじゃないか」
さも当然とでも言いたげにギーツが答えた。リアは目と目の間を指で押さえた。