表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王になるには?  作者: 水原慎
第二章 交叉
103/312

3-11 ギーツの申し出

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

「それはともかく、メリットね…。どうだろう? おれがアルカシャ・クルグに闘い方を教えるってのは」

「同じ胞奇子であるあなたがアルに教えるの?」

「そうだ。最初に伝えたように、おれも漠主の系統に属する人間として相応の知識を授けられている。聞いたところ、アルカシャ・クルグは体系立った相転儀の訓練は受けていないようだ。これまでの実戦経験も踏まえた、おれの話は有益だと思うがね。念のために言っておけば、調制士であるおまえさんの能力を軽んじてるわけじゃない。だが、相転儀の習得法には地域や流儀によって違いがあるし、違った角度からの考察は有意義のはずだ。おれはデタラメを教えるつもりはないが、内容はその都度確認してもらって構わない。当然の用心としてこちらは気にしない。敢えて言っておくと、おれは戦闘で人を殺した経験もある」

 重い内容でギーツが話を締めくくった。リアはギーツの目を見つめながら素早く考えを巡らせた。

 悪くない提案だった。アルに絶対的に足りないのは相転儀の知識であり、実戦からくる知恵だった。もちろん、調制士であるリアにも知識や経験はある。しかし、ギーツが言うように多様な教えはアルに有用な蓄積を促すだろう。―ギーツの申し出が罠でなければ。

 リアは横にいるナヤカを一瞥した。

 ナヤカは押し黙って座っていた。どうやらナヤカはギーツがアルに接触することを快く思っていないようだった。表情が硬く、まるでこの場にあるギーツ以外の全てを拒絶しているような頑なさがあった。リアにはその頑なさがギーツの好意を裏付けているように思われた。もちろん芝居という可能性もある。ならば、相当にしたたかな相手だということだ。この二人にそうまでして狙われる理由は思い当たらなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ