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魔王になるには?  作者: 水原慎
第二章 交叉
101/312

3-9 適当に言ったら、当たり

長文なので分割してアップしてあります。

枝番のあるものは一つの文章です。

サブタイトルは便宜上付与しました。

「だけど、ぼくが求法院に着いたのって最終日だし」

 気の高ぶりが去るとアルの声が耳に入った。話が進んで森の試練が話題になっている。

「そんなのは気にする必要はないだろう。おれも森を抜けたのは最終日の一日前だ」

 リアは鼻を鳴らした。

「どうせあんたみたいな人間のことだから、森の様子でも眺めて『美しい』とか言ってて遅れたんでしょ?」

 ギーツは感嘆の声をあげた。顔も輝いている。

「よく分かるな。ご明察だ。森の情景といい、動物や植物といい、一つ一つが実に美しかったぞ」

 適当に言ったら、当たりかよ!

 リアは心の中で舌打ちした。どうもこの男と話しているとやたらと気分がやさぐれる。ささくれた心情のままに言葉を継いだ。

「それで?」

 ギーツが怪訝な顔をした。

「あなたは自分の求めるものに近づける。だけど、あたしたちは? あなたたちを受け入れても何のメリットもないわ。そうでしょ?」

「リア―」

「アルは黙ってて」

 アルの抗議の声をリアは冷たくはねのけた。

「あたしもアルも友達を作るためにここに来たわけじゃない」

 目はギーツを見据えたままだった。ギーツが口の端を大きく上げて笑った。

「いい仕事ぶりだな、リーゼリア・バザム。調制士はそのぐらいでないといけない」

 ギーツの口調には気分を害した様子はなかった。

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