檻からの脱出
ぼんやりと俺は目の前の光景を見ていた。
男性と女性と、三歳くらいの子供がいた。
子供は女性に抱きしめられ、男性はその子の頭を撫でている。笑い合いながら楽しそうにしているあの三人は、きっと家族なのだろう。
他人事として三人を見ている俺に、男性と子供は気が付かなかったようだが、女性だけが視線を寄こした。
逆に見られると思っていなかった俺自身が、驚いて瞠目する。
しかし、向けられたその胡乱な視線は、腕の中にいる子供が女性の腕をっ引いたため、すぐにそらされてしまった。
瞬間、なぜか……胸の中が、石が積まれたみたいに重くなり、数ミリ単位で体が刻まれたように痛くなった。
何の痛みだ、これ?
痛む理由なんかわからずに、そのまま茫然と佇んでいた。
たぶん、頭のどこかで夢だとわかっていた俺は、痛みが引くまで我慢していようと思ったんだ。
けれど、堪えていても痛みは次第に広がっていく。
全身に刃を生やした何かが俺の内臓や血管の中を、傷つけながら突き進み掻き回しているんじゃないかと思うほど、全身に酷い痛みが走った。
――耐えられないっ!
すべて投げ出してしまいたくて、感情が噴出しかける。
でも、逆にそれを抑え込もうとする俺もいて……。
苦しい。
我慢しろ。
痛い。
我慢しろ。
助けを乞う俺と、自制する俺。
何かに対し葛藤を繰り返す思考に釣られたのか、まるでフラッシュバックでも起こしたように目の前の三人は消えて、覚えのない様々な“記憶”がチラつく映像となって俺の脳裏を巡る。
見たことのない景色、見たことのない人達。
その中に見慣れたエルの顔も出てきたけど、神殿みたいな建物の中で見たことないほど切羽詰まった表情で俺に何か叫んでいた。
場面が変わって戦場のような光景が目の前に広がっていた。振り返ったらミッキーが土に汚れた例の軍服を着ていて、抜き身の剣を片手に周囲に怒号のような声で何かの命令をしていた。
他にも緋色の髪に瑠璃色の瞳の青年や、茶が混じった金髪碧眼の青年、細身の剣を持ち戦う長髪のストロベリーブロントの女性、殆ど誰が誰だかわからない者達が脳裏に浮かんでは消えていく。
場面も人もぐるぐる回るせいで、俺は酩酊に似た状態に陥り、混乱して頭が割れそうになった。
……いやだ。
イヤだっ。
嫌だっ!
「――――っ!」
声にならない悲鳴。
と同時、そんな俺の目の前に、ぼんやりと現れた人物がいた。
苦し紛れに助けを求めてか、俺はとっさに手を伸ばした。幼い手だった。
手を伸ばしたその先にいた人は、俺を嫌そうに一瞥する。
縋るように伸ばした手は相手に取られることもなく、届くこともなく、何もない空を彷徨う。
最後に脳裏に浮かんだ、強い日差しに焼かれた地面と蝉が煩いほど鳴く森がある景色の中、その人は背中を向けて去って行ってしまった。
ホワイトアウトする俺の視界に白いワンピースと、レース編みの日傘を差した姿を焼きつかせて――。
† † † † † †
水の中から浮上するような感覚と共に意識が戻ってきた。
重たい瞼を開ければ、次第に物体の輪郭を取り戻した視界に天鵞絨の天蓋が映る。
数回、目を瞬かせて自分がどこにいるか認識し始める。
えっと……俺、寝てた、のか?
寝てたんだよな、この状況は。それにしても、変な夢だったな。
どんな夢だったか思い返そうとして、内容は少ししか思い出せない。けど、あれは俺の前世の記憶だったんだろうか。
家族らしき人達のいる光景からぐちゃぐちゃの思考になって、最後は白いワンピースを着た女性の後ろ姿みたいだった。俺はその背を呼び止めるように手を伸ばして……。
……ちょっと待て。もしかして最後のは、前世の俺がフラれたシーンだったりするんじゃないか?
うわ待って、マジ凹む。思い出した前世の記憶が、よりにもよってフラれシーンかよっ!
いや、落ち着け俺。
全部を一から思い出せば、話の繋がりが……見つかるわけないよなぁ。
見た夢の内容なんて思い出そうとしても全部は無理だ……と、ひとり納得する。
思考が上手く動かない中、コホッと小さく咳が漏れた。途端に強烈な喉の渇きを覚える。
もしかして、風邪か?俺の風邪は喉から?
あ。いや、今は夏の暑さで乾燥しているんだっけな。
ジメジメした湿気がない分、アデレストは乾燥が強烈な夏の気候なんだって聞いた。
十分に考えられる喉の渇く理由に「風邪じゃないな」と苦笑して水差しの水を飲むため、いつものように起きあがろうとしたが全身に力が入らず、十キロを全力疾走した後みたいな疲労感が残っているのに気づく。
気持ち悪くて、気持ち悪くて、気持ち悪くて……堪えきれずに胃を丸ごと吐き出したんじゃないかと思うほど、胃があるはずの場所が空っぽになった感覚に陥っている。
口の中に関しても、舌に藻か苔でも生えたんじゃないかと疑いたくなるほどの劣悪な状態になっているのを感じた。
ついでとばかりに酷い眩暈も覚える。
「……うげ、ぎもぢわるい」
「殿下!?」
いきなり呼ばれて寝たまま視線をあげれば、俺の顔の上に見慣れた奴の顔のドアップ。
うおわっ!びっくりしただろ、いきなり顔を覗き込むな。
体が動かないので驚いてないように見えるかもしれないが、思いっきり驚いたんだからな。
寝ている俺の顔を突然のぞきこんできたのは、ミッキーだった。無表情は少し崩れていて、いつも整えられている髪も乱れている。
珍しいなぁ……なんて思いながら茫然と見あげていると、ミッキーはパッと離れて扉の方へ走って行く。
扉を開けた音が聞こえたと思ったら、「今、目を覚まされて」「すぐに医師を」と途切れ途切れに聞こえる会話から、何か緊急事態があったとわかった。
パタンと閉まった音がしてミッキーが出て行ってから、俺は側にいる人影に目を向けた。
「エル……何が、あった?」
掠れた声で状況を掴めないと伝えると、ベッド脇に立っていたエルは少し険しい顔で俺を見ながら側に座る。
『毒を盛られたんだ』
「……だ、れ……に?」
『王妃だよ』
おうひ……?
おうひって、王様の奥さんで、妻で、お妃で……うん、王妃様ってことだよな。
理解が追いつかなくてすまん。
ベッドで横になっているはずなのに視界と頭の中がくるくる回ってて、ちょっと脳内シェイクされてる状態なんだ。
まだ気持ち悪さもあるし、体も怠い。
これってどういう状況?
盛られた毒とやらがまだ解毒されてないってことか?
『今回は解毒が間に合ったけど、君は四日も寝ていたんだよ。次はどうなるかわからないんだ。知らない人からの食べ物には気をつけて』
そう言いながら俺の額を撫でるエル。撫でられる感触もない行為なのに、少し安心させられた。
つーことは……そーか、あのスープに毒が入っていたのか。食べ物に毒を入れるなんてなんて卑劣な!
初めて麦粥以外で腹を満たせると思っていた俺の期待を返せっ!
まぁ、スープとパンを持ってきたのは見かけない給仕係だったのに、ミッキーが普通にスプーンを渡してくれたからって何の疑問も持たないまま飲んじまった俺も悪いな。
というか、俺は四日も寝てたのか。腹から胃袋喪失みたいに感じるのはそのせい?
んで、毒盛られたのは王妃様の命令だったんだよな……ってことは、国家権力から狙われちゃったわけ、俺?
「やっぱり……王宮内じゃ、正妃と側室との、確執なんかが、あるのか……。俺も、例に漏れず、王室の争いに……巻き、込まれたって、わけ?」
一気に喋ろうとして失敗した。喉の渇きが半端ねぇし、声が掠れる度に喉が詰まる。
それでも聞きたいことを伝えたから、すぐにエルから返答があるはずだ。
そう言えば、俺の母親って側室なのか?
もしかして、俺の十歳違い(とエルに教えられた)の弟って腹違いだったりする?
やっぱ後宮とかあって女ばっかりで、春日局みたいな人が取り仕切ってたりするのかな。魔王が来たら、「王様のお成ーりー」とか言って。
……なんか、大奥みたいな王宮を想像しちまった。こっちの質問は、体が本調子になってからだな。
さっき少し声を出しただけだったのに喋りすぎたのか、喉に痛みを感じて自分の唾を飲み込んだ。少し落ち着くまでの我慢だと、目を閉じて喉の痛みを堪える。
『……ユリシーズ』
「ん?」
名前を呼ばれたので返事がもらえるものだと思い、再び目を開いて視線をエルへ向ければ、おもむろに顔を寄せてくるじゃないか!
どこぞの映画みたいに親が子供を慰める時、額に軽くキスを落とすシーンを思い出し、俺は動かない体で逃げようと慌てる。
ちょ、まままま待て待てっ、落ち着け落ち着け!エルーッ!
俺は男にそんなことされても、全然まったく一切喜ばねぇってのぉぉおおおおっ!
叫びたいが、喉が痛くて声が出ない。すぐ目の前まで来たエルの顔に逃げることも叶わない俺は、目を閉じて(主に精神的な)衝撃に備える。
だがしかし、リップ音らしき音も聞こえないので恐々目を開けてみると、いい方に予想を裏切り、エルは俺の額に頬を寄せただけみたいだ。
……ふぅ、びっくりした。
思わず「欧米かっ!」と、ツッコミするところだったろ。
内心で焦りまくっていた俺に対し、エルは纏う空気を重くして静かに口を開いた。
『落ち着いて聞いて……。王妃は君の生みの親だよ』
「は?」
今、何と仰いました?生みの親?
“産み”じゃなくて、“生み”の親?
……うん、まず聞くところはそこじゃないな。そんな細かいところは、今はどうでもいい。
俺は言われた言葉が理解できなかった。言葉がというより、意味がだ。
俺の聞きたかった質問を察してエルが答えたわけじゃない。今までの行動からも、心は読めないみたいだし。
王妃の命令で毒殺されかけて、その王妃は俺の……。
えっと、それって……つまり。
「――殺されかけたってわけか。実の、母親に」
確信を口にした途端、痛みが走って思わず俺は、胸を押さえて呻く。
それが毒の後遺症による痛みなのか、少しでも感傷に浸った痛みなのかわからないが、俺の心に楔が打ち込まれたのは確かだった。
「くぅーん」
「……マロ」
いつの間にか尻尾を振りながらベッド下から這い出てきたマロが、エルのいる反対から側までくると俺の頬を舐めた。
「そういや俺の寝ている間のマロの飯とかどうしたんだ?」とぼんやり考え込んでいると、今度はすんすんと鼻を鳴らして俺の目元へ口が迫ってきたから、「ちょっ、目はやめてー」と顔をそらした。マロの舌が目元を掠る。
舐められた反動でこめかみに流れ落ちる水の感触に目を瞬かせると、いく筋も水がそこをなぞる様に伝う。
顔を離したエルの親指が俺の目の端をなぞる様に動いたのが見えた。
「え……あれ?」
『ごめんね、今の僕じゃ拭ってあげられないや』
水の正体を確かめるために、俺はエルがなぞった目元に触れた。そうしている間にも、すんすん鼻を鳴らしたマロが、水の感触が残るこめかみを舐め始める。
泣いてるのか、俺?
自覚すれば、鏡を見なくてもわかるほど涙が溢れ出てきた。
悲しいという感情が伴ってない分、俺自身の混乱が強い。泣き出す理由がわからない。心がまったく別なところにあるのに、それに反して涙が流れることが理解できない。
ただ、これは推測に過ぎないんだが。
俺が意識を閉じていた間の俺は、どうだったのか。
泣きも笑いもせず、ただ言うことを聞いていただけの人形だったわけがない。だとすれば、この涙を流している主は、意識を共有していない別な俺じゃないか。
そう考えた方がしっくりくる現象。
なーんか、二重人格って感じ。
念を押すが、推測だ。
それにしても、不自然すぎることに気がつかなかったのは、そうした違いのせいかもしれない。
考えてみれば、おかしな点はいくつもある。
子供が病気になっているなら、親はどうして見舞いに来ないのか。来れなくても、贈り物や手紙くらいあっていいはずだ。
けれど、寝室にも隣室にもそれらしい物は……ひとつもない。
将来性のない王子……ミッキーの同僚が呟いた言葉が、脳裏をよぎる。
だから、周囲は近寄らないのか。
だから、ほぼ放置されているのか。
だから、親も興味を持たなくなったのか。
――だから、俺を。
刃物で抉るような痛みが、胸の奥に生じる。じわり、と血が滲んだかと思った。それほど胸の痛みは長くそこに留まり、内部までを侵食していく。なのに、原因に対して悲しいと感じない俺の感情。
ここで「あー、やっぱり別な俺がザックザク傷ついてるんだろうなー」と思う。
辛い体を叱咤して起こすと、エルも上体を起こし、マロも俺の顔が見えるよう移動してきた。
「じゃぁ、なんで俺なんか……」
『ユリシーズ、“なんか”なんて言わないで。君は魔王になるよう頑張れてるよ』
思わずこぼしてしまった自分を卑下する言葉は、エルに遮られた。
そっとエルが俺の背中を撫でる。やはり感触はない。
けれど、背中が温かい気がした。
別に状況を悲観しているわけじゃない。
今までみたいに現実味も危険性も感じられない退屈な生活は、俺にとって本当に檻に相当する物だったのだと思い知らされた。現実って残酷。
魔王になるよう頑張れてる、と言うエルの言葉が現実とは違っていることに、慰められてるんだとわかりながら「どこら辺が?」と意地悪に聞き返してみたいが、今は異様に優しくて気持ち悪いし、体調が良くなったら報復で色々弄られそうだからやめておこう。
そんなことを思いながら、ベッドに視線を投げたまま黙り込んでいると、エルが再び顔を寄せてきた。
『……もしかして、何か思い出した?』
突然の真剣な声に目を合わせるようにエルを見あげると、質問が理解できてないぽけーっとしているだろう俺の顔を見て、ホッとしたように微笑んだ。
『いや、ごめん。何でもないよ』
ひとり言いながら、エルは俺から体を離して距離を取る。
謝るなんてどうしたんだ。具合でも悪いのか、エル。
今までも俺に謝っていても、悪びれた感じが一切ないエルの謝罪。が、今回ばかりは茶化さず本心からの言葉に聞こえた。
いや、待て待て。本当に今日のエルはおかしい。どうした、何があった。
あ、俺の毒殺未遂事件はあったけど、それがエルの心境(神様に心境なんてあるか知らないが)に影響を及ぼすようなことだったのか。それとも未然に防げなかった責任感か。
「変なエル」と笑って空気を変えようとしていると、ベッドを下りていくマロが視界の端に見えた。
エルが言う通り魔王になれるよう頑張れば、この現状を変えられるのだろうか。
そう思いながら目元を拭った時だった。
「ユリシーズ様」
エル以外の声に呼ばれて顔をあげれば、寝室に入ってくるミッキーが見えた。
さっきマロがベッドを下りたのは、ミッキーが来るからだったのか。
マロ、お前やっぱすげー!
寝ていたはずの俺が起きているのを見て、一瞬動きを止めていたミッキーは慌ててベッドに駆け寄ってくる。
「まだ寝ていなくては駄目です。今、医師をこちらへ呼ぶ許可を頂いてきました。それまで安静になさっていて下さい」
「別にいいじゃ……んか。必要、ねーよ。放って、ケホッ、おけって……」
普通に喋ろうとして喉の痛みに声が詰まる。
そうだ俺、喉痛かったんだよ。エルとのやり取りで水飲むの忘れてたわ。
つーか、緊急だろうが俺が死にかけだろうが、医師を呼ぶにも許可が必要なんだ。……ふーん。
マニュアル通りの行動は褒められるんだろう。考えてみれば、ミッキーだって俺が死んだ方が都合いいんだよな。
考えただけで数日前の夜の苛立ちが戻ってきた。
「そーいや、悪……いな。さっさと、くたばら、なくて……」
俺の途切れ途切れの言葉に、ミッキーは瞠目した。
図星だからなのか、そんな言葉が返ってくるとは思っていなかったのか、どちらにしろ鉄仮面みたいだったミッキーのあからさまな表情の変化に苦笑する。
今までは無表情を取り繕ってたのか、アンタ。
エルといい、ミッキーといい、今日はおかしなことだらけだ。
「俺も……母親、にここまで、されちゃ……どうしよう、もない、よな」
「殿下、そのようなことはっ!」
いつも感情のこもらないミッキーの声にも、さすがに焦りの色が見える。
へぇ、俺が母親に“何”をされたなんて言ってないのによくわかるなぁ。
俺が見限られてるってのは、周知の事実だったってわけか。
俺がしばらく黙りこむと、ミッキーも言葉が見つからないのか何も話さない。
その間に喉の潤いを唾を飲み込むことで、何とか回復させる。
「ミッキー、ご苦労。もう俺を見限って、いいぞ。……ここにいても、昇進なんて、望め、ないからな」
後半、声を掠れさせながら呟いた俺の言葉に、息を飲んだミッキー。
夜中に訪ねて来たらしい同僚と会話していた時、ミッキー自身が愚痴っていたことだ。
昇進したいんだろ、と問いかける同僚にミッキーは同意した。それは、俺からさっさと離れたいと望んでいる事実。
そりゃ、王族の側付きになれば未来は明るい。普通の王族ならば……。
でもまぁ、ここまで逃げ出しもしないで、厄介な子供に根気強く付き合ってくれたんだ。
恨みなんかない。
黙ったまま何も言わないミッキーを寝室から下がらせると、そこでようやっと水差しの水を飲み、一息ついた。
しかし、俺を隔離・幽閉状態にしている理由じゃ満足できずに、使えないから殺すって短絡的な思考の王妃だな。
そういえば、俺をここへ押し込めたのは誰だ?
「エル、ここへ俺を入れる決定をしたのって、誰?」
『……王妃だけど』
ああ、やっぱそうか。
だったら、なんで言うことを素直に聞いていたんだ、俺……?
我が儘を言うほど子供じゃないが、だからって強く要求をしてこなかったんだ?
ミッキーに外に出たいと言った時、許可云々で煙に巻かれても何度も頼むことはできたのに、まるで……この館で飼われているような生活を安易に受け入れていた。
ただ魔王になればいいと漠然とした未来だけ提示されていて、その他は何もしてこなかった。
どうしてだ?
どうしてなんだ?
こうして王妃から毒を盛る命令だってされちまうほど、俺は役立たずでいらないものってことなのに。
――じゃぁ、言うことを素直に聞いてなきゃいけない理由が、どこにあるんだ?
俺の中で、縛りつけてた何かが吹っ切れた。