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2002年11月-2

2002年11月21日(木)

 病院に行った。

 いつもならバイクで行くのだが、とてもバイクを運転できるような状態じゃなかった。

 だから、電車で行った。

 一応、外出時に飲む抗不安薬を飲んだので、電車に乗ってもあんまり苦痛じゃなかった。

 先生にその後の様子を聞かれた。

 でも、鬱どころじゃなかった。たまらなく孤独だった。

 先生に全て話した。彼女と別れた事を話した。

 先生が何と答えたのかは覚えていない。でも、ちょっと楽になった。

 夜に大学の友達が心配して来てくれた。

 一緒に酒を飲んだ。恋の事だけじゃなく、いろんな事を本音で話した。

 今は一応休学しているので、療養期間として考えるべきなんだけど、様々な思いが頭を駆け巡り、中途半端な自分に気付いた。

 逃げたかった。全ての事から逃げたかった。

 でも、それは弱虫だと思った。

 今日は、せめて今日は、酒に溺れようと思った。

 地べたに踏みにじられた虫のような感じがした。



2002年11月22日(金)

 一人でいると突然例え様も無いほどの不安が襲ってくる。

 ああ、ボクはまだ鬱から抜け出せない。

 鬱だけじゃない、ボクを取り巻く環境から、目も当てられないような内面の感情から抜け出せない。

 楽になれるのはいつですか?

 胸を張って生きていけるのはいつですか?

 悲しみがなくなるのはいつですか?

 うまく笑えるようになるのはいつですか?

 答えは誰にも分からなくて、だからこそ毎日苦しみながら、ほんの少しの幸せしか得られない。

 苦しんで、苦しんで、苦しんで…。

 それでも生きていくしかないのですか?

 今日も一日が終わる。

 明日は今日よりいい日なんだろうか?



2002年11月23日(土)

 神様がいて、指示される。ボクの人生を決めつける。

 もし全てが運命で、初めっから決まっている事ならば、いっそ結末を教えてほしい。

 結末を知ったら、そこに行こう。途中経過なんていらない。

 結末の一歩手前で降ろしてくれ。

 それがボクの運命ならば、喜んでその運命に従おう。

 人生なんて、クソッタレだ。

 ボクの人生なんて、クソッタレだ。



2002年11月24日(日)

 後輩と電話で話した。

 学校の事をいろいろ話した。

 話しているうちに、学校がイヤになった。

 あの閉鎖的な空間がイヤになった。

 気分が悪くなった。

 学校の事を考えるだけで、気分が悪くなった。

 学校に未練は無いけれど、新しくやることも見つからない。

 中途半端だ。

 ボクは、中途半端だ。

 学校に対しても、他の何かに対しても。

 そして、人生に対しても。

 生きる事に対しても。

 死ぬ事に対しても。

 情けない。

 怖い。

 侘しい。



2002年11月25日(月)

 最近、夢ばかり見る。

 しかも、いやな夢ばかり。

 とてもイヤだ。

 眠りも浅い。

 睡眠薬はこのごろ効かなくなってきている気がする。

 今度病院に行ったら、もう少し睡眠薬を貰おう。



2002年11月26日(火)

 ヤバかった。

 腹が減っている状態で薬を飲んだ。

 胃が空の状態で薬を飲んだ。

 しばらくして、吐き気と寒気が襲ってきた。

 髪の毛はおろか、全身の毛が逆立った。

 すごく気分が悪かった。

 でも、頼れる友人もなく、一人で解決するしかなかった。

 とりあえず、気分が悪い時に飲む薬を飲んだ。

 そして、牛乳を飲んで、お菓子を食べた。

 すこし楽になった。

 安心していたら、久しぶりに幻臭が襲ってきた。

 なんか、振り出しに戻ったような気がした。

 いつになったら治るんだろう?



2002年11月27日(水)

 吐いた。

 今日の朝は気持ちよく目覚められた。

 でも、今はすごく気分が悪い。

 まず幻臭があった。

 今までにないほど、強い幻臭だった。

 それで、気分が悪くなって、吐きそうになった。

 でも吐かなかった。胃薬を飲んで耐えた。

 その後に襲ってきたのは便意だった。

 お腹を下していた。トイレでひたすら耐えた。

 それで、すごく気分が悪かったので寝た。

 夜中に起きたらちょっと気分が良かった。

 安心してパンを食べた。

 しばらくして、猛烈な吐き気と便意が襲ってきた。

 トイレで吐いた。トイレで排便した。

 自分の体が、なにか悪いものを出そうとしているのを感じた。

 ひとしきり吐いて、ひとしきり排便した。

 とてつもなく気分が悪かった。

 その後、死にたいほどの孤独感を感じた。

 でも、ボクはまだ生きている。

 何でだろうね。



2002年11月28日(金)

 今日も病院に行った。ちゃんと診断してもらうために。

 でも、ちゃんと診断したからって病気がよくなるわけじゃない。

 ひたすら薬を飲んで、耐えていくしかないのだ。

 オレの人生って、ずっとそうなのかな…。

 精神に異常をきたし、肉体的にも異常だ。

 苦しまずに死ねるんだったら、それもいいかなって思った。

 そしてまた、一人泣いた。




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