プロローグ
20××年。
宇宙から、ひとつの隕石が地球へと飛来した。 その大きさは小型の人工衛星ほどで、落下地点が太平洋だったこともあり、各国は当初それほど深刻には受け止めていなかった。
しかし、隕石が海へと落下した瞬間、世界は一変した。 衝撃は地球全体に伝わり、激しい地震が各地を襲った。建物は崩れ、多くの負傷者が出るなど、未曾有の災害となった。
やがて地震が収まり始めると、世界中で奇妙な現象が報告されるようになった。 新たに生まれた子どもたちが、常識では説明できない力を持ち始めたのだ。 さらに、動物たちの生態にも異変が起こり、自然界そのものが変化し始めていた。
各国の研究者たちはこの現象の原因を探るために集まり、調査を進めた結果、隕石の飛来と同時期に大気中に未知の原子が出現していたことを突き止めた。
この原子は、人間や動物に超常的な力をもたらす性質を持っており、後に「魔法元素」、略して「魔素」と名付けられた。
魔素の発見は世界に混乱をもたらしたが、やがて人々はその存在を受け入れ始め、魔素は生活の一部として根付いていった。 新たな時代の幕開けだった。




