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プロローグ
初めての小説なので、拙いところもありますが温かい目で見てください。
帝国歴XXX年
「ハルモニアを返して!!わたくしの愛しい弟を!!!」
そう叫んだ女のピンクがかったプラチナブロンドは乱れ、美しかった顔は傷だらけでやつれている。
リリエンタ・エリス・キキ
女の名前である。
公爵家唯一の娘であり、かつてのキキ公爵が唯一愛した女、エリスの娘。
甲高い叫び声をあげ、目の前にいる男への怒りを抑えられず暴れる女を騎士たちが取り押さえる。
その姿を男は黄昏色の瞳で冷たく見つめる。
「あなたは僕たちの弟の愛しいハルを使い、自らが公爵になろうとした。さらには公爵である僕の命まで奪おうとしました。これは重罪です。」
女の前に立つ男はそういうと剣を抜き女の首に刃をあてる。
「ご覚悟を。」
女の目が絶望に染まり男を止める言葉を発しようと口を動かす。
言葉が出る前に刃は首に振り下ろされていた。