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後編 高齢者「自己責任」の行きつく先は「安楽死社会」に直面していく

筆者:

 中編をスキップされた方も年金について簡単に言うならば、

 正直なところ「元を取ることを考えない」ことの方が大事だと思います。


 現行制度では年金基金については「税金と同等」と考え、

制度が破綻して全く支払われないことも想定しなくてはいけないように思います。


「ちょっとでも貰えたらラッキー」ぐらいなノリで考えた方が良いでしょう。



質問者:

 「制度の延命優先」みたいですから完全に破綻することは考えにくいですけど、

 それにしても酷い感じがしますね。



筆者:

 現状では主婦の方もご高齢の方も保護することを放棄することによって無理やり働かせ、人手不足を解消しようとしているようにしか見えません。

(あとは外国人を入れて人材難を解消)


 働くことが出来ない人は「努力不足」と言われて切り捨てられるという、

 まるで地獄みたいな社会になっていると言って良いと思います。

 


質問者:

 年金制度は本来国民の方の生活の安心のためにある制度の筈だと思うのですが、

 実際のところは「制度を維持するための増税」や「年金が足りないから高齢者の方を無理やり働かせる」だなんてあんまりですね……。


 本来であれば技術革新などによって生産性を上げて人員不足を補い給料も上げると言った方法が望ましいと思うんですけどね……。



筆者:

 “生産性と給料”について話し始めるとまた話が逸れるので簡単に言いますが、

 法人税を上げるなどしないと、生産性の向上はそのまま給料に反映してくれませんけどね。


 正直なところ今後成人する人たちがあまりにも気の毒だから年金は任意加入にして欲しいですね。

 将来的にはさらに年金は削減されていくのに更なる保険料を強制的に徴収されていくのは本当に今の子供世代の方は不憫でしかないです。



質問者:

 投資は特に複利で増えていく可能性もありますからね。



筆者:

 そうですね。保険料と同額をS&P500やゴールドやプラチナなどに投資した方がまだマシと言えます。

 分散投資ならまず0になることは無いですからね。


 毎年国民健康保険・年金保険の分の約20万円を2%の運用で40年積み立てた場合は、800万円が1232万円になりますからね。(今の制度で国民年金ですらようやく85歳ぐらいで回収)

 

 実質の年金制度の破綻を宣言している「つみたてNISA」をやらせるならもう年金制度を廃止した方が良いと思います。


 ワーキングプアの人とかは、保険料で取られている分のせいで「つみたてNISA」すらできないんじゃないかと思いますから。



質問者:

 もういっそのこと自由にやらせてほしい感じがありますね。

 


筆者:

 本当に「自己責任」を政府が推進するならそれの方が良いでしょう。

 もっともらしく言い訳をして責任逃れをしているだけとは思いますがね。


 そもそも年金は全て真水国債でやればいいだけの話です。


 ただ、現実問題はそう甘くは無さそうです。

 非常に残念なことに年金はカットされ支払う現役世代の負担は様々な形で増し続けることでしょう。



質問者:

 このままいくといったいどのようなことになってしまうのでしょうか……。



◇現役世代は「赤の他人」も親の介護もしながら仕事をする



筆者:

 ここからはあんまり他の専門家も言っていない、

 僕の勝手なる妄想による未来予想なのであまり信用しないで欲しいですけどね(笑)。


 既存のままで行けばこれから高齢者の方々はよほどの貯金の貯えが無い限りは、

マクロ経済スライド強化により年金はステルスで削られ、ほとんどの高齢者の方は働かざるを得なくなります。


 僕は「マスコミの頻繁に報道している記事(新聞とテレビが無いからネットに限られますが)」に着目しています。


 最近化粧品会社で働く90歳のご高齢者が記事になり礼賛されていますが、

 暗に「90歳まで働け」という事を国民に刷り込んでいこうとマスコミと政府がタッグを組んで行っているのだと思います。



質問者:

 20歳から考えると約70年ですか……。

 55歳でようやく折り返しとか気が遠くなるような話になりそうですね……。



筆者:

 むろん働きたい方はいくつになってでも働いて良いと思いますが、

 果たして給料をもらえるだけのクオリティの高い仕事を90歳になった時に全員がこなせるか? と言ったら怪しいと思います。


 非常に残念なことに多くの方は健康寿命である75歳を超えればもう死語と言うニックネームの「生活・お金のために体を動かしているだけ」のレベルになってしまい、周りに迷惑をかける方がほとんどになってしまうでしょう。


 20年後や30年後には現役世代(75歳以下)は仕事をしながら90歳の社員を“介護する”というとんでもない社会になっていると僕は予想します。


 それでいてご自身のご両親についても介護する必要があるので、

 現役世代は「どこに行っても介護しなくてはいけない」と言った状況になるのではないか? と思われます。

 

 そんな社会で生産性を上げろと言うのは厳しいと思いますけどね。



質問者:

 でも、政府は自助と共助ばかりを要求しますから本当にあり得ることですよね……。


 全自動介護ロボットとか出てこない限りこの状況を打開できそうにないですね……。



筆者:

 本当にテクノロジーの発達に期待したいところです。

 ただ、日本はそういった分野の技術開発についても支援を渋るので海外製のを買う事になるでしょう。

 円安も相まって当面の間はそう言う介護ロボットは民間に使えるようになっても「上級国民御用達」になることが考えられますね。



◇「自己責任」の果ては「安楽死容認」の世の中になる



質問者:

 そうなると本当に暗澹たる気持ちでいっぱいで、日本の将来に絶望しか感じませんね……。



筆者:

 だから年金については真水国債を発行しなければ、

 余計に少子化が進むという事を政府は知って欲しいですね。

 未来に楽観的でなければ「子供も苦労する」という発想になるので、少子化は加速します。


 また、最近僕が注目している記事は「安楽死」についてです。


 安楽死は導入当初は難病に限られる容認だとは思いますが、


 徐々に「現役世代のために稼げない高齢者は死んでくれ」みたいな風潮になっていくことでしょう。


 更に言うなら、


 「長生きすることが辛い人は死んでください」


と言う方向になると思います。


 このようにして、イェール大学准教授の成田悠輔氏の「高齢者集団自決」と言うのが成田氏は労働生産性のために言っていましたが、文字通りになってしまう社会になるのではないかと思います。


 

質問者:

 そもそも年金を削って現役世代に回せと言うのもかなり遠回しですが、

「集団自決」のように言っているような気がしますものね……。



筆者:

 そして年金受給する頃になると、


「お金が無い上に年を取ってからも働かなくちゃいけないのなら死んだ方がマシ」


 と言う発想に行きつく方もいらっしゃると思いますからね。


 昨今問題になっている孤独死の増加についても、

 孤独死するぐらいなら安楽死してお医者さんや看護師さんでもいいので誰かに看取られたいという人も出てくるだろうと思います。


「65歳以上は誰でも♪ 簡単♪ 極楽浄土♪」

 

 みたいな感じの「明るい安楽死」のCMで溢れるかもしれません。

 お寺さんと組めばなおのこと殺到するでしょう。


 1,2年でここまで来るとは思いませんが10年、20年の長いスパンではかなりの高い確率でこういう流れが起きてしまうのではないかな? と考えています。



質問者:

 「自己責任」が行きつく果てはそこですか……。

 しかし、亡くなったからといって極楽浄土に本当に行けるとも限りませんけどね……。



筆者:

 政府が自身の政策の失敗の数々を顧みず、「自己責任」と国民に擦り付けた結果が「お金の無い日本国民が責任を取って安楽死」と言う未来だと思います。


 そして、そういった未来を予見するか何となく感じ取った若くて優秀な方は海外に脱出していくことになるんじゃないかな? と最近僕は考察を進めています。


 この世界には日本以外にも色々な国があるので高齢者を冷遇する国は間違いなく捨てられるでしょう。

 現在でも相続税が安いシンガポールなどに逃げ出している富裕層・有名人は多いですけどね。



◇「真水国債」しか打開策は無い



質問者:

 どうしたらこういう社会にならずに済むのでしょうか?



筆者:

 そもそもこの将来的に訪れるであろうと僕が予測している「安楽死社会」を「どのように感じるか」は皆さん次第だと思います。


 僕自身は「健康で長生きして生き字引き」を目指して今から地道に積み重ねをしていますが、

 「太く短く」と言う生き方でも「年老いて死にたくない」と言う考え方でもいいと思うんです。


 ただ、長生きしたいにも関わらず、「高齢者が生活苦のために選択肢が無く、やむを得ず安楽死」と言う社会的構造は避けなければいけないと僕は思っています。


 しかし、現実的には残念なことにそういった悲しい世界に向けて日本は邁進しているように思います。



質問者:

 確かに、選択肢が狭められたうえで自ら死を選択するなんてあんまりな社会ですよね……。


 かつて貧困や飢饉などによる「姨捨おばすて」という高齢者を山に捨ててしまうという悲劇があったようですけど、

 現代の日本でもそれと似たようなことが起きてしまうかもしれないのですか……。



筆者:

 かつての姨捨は長野や愛媛など一領主がとった政策だったようですが、今回の「安楽死社会」は「見えにくい国家的姨捨」とでもいえる状況になると思います。


 僕の予想通りに行くとは限りませんが、どういう形であれこれに近いスタンスで世の中は進行していくことでしょう。


 この流れを覆すことは大変難しいことだとは思うのですが、

特に年金や高齢者への待遇について「格差是正」を名目に吊るし上げないことです。


 自分の遠い将来のことだからと高齢者との格差を埋めるように主張することは、

「今だけ金だけ自分だけ」の状態になっています。


 そしてその下の世代から、「格差を埋めろ!」と訴えていた人は後々高齢者になった時に吊るし上げられる運命にあります。

(人口が増加する出生率2.0を超えるまでその無限ループ)


 自分も過去に高齢者を吊るし上げた経験があるので強く言えずに「安楽死社会」や「若者海外脱出社会」を容認することになると思われます



質問者:

 なるほど、長い目で色々とみていく必要があるという事なんですね……。


 

筆者:

 この発想から脱却するためには高齢者も含めてみんなで一緒に豊かになるという考え方が大事だと思います。


 ズルいだのなんだの言って国民同士で潰し合う事を政府や官僚は狙っています。


 誰しも子供の頃があり、年を取ればお年寄りになります。

 皆さんそれぞれの違いを認めて良さ悪さがあるのだと理解し合う事が大事です。


 また、「本当の敵」はこの破綻している社会保障・年金のシステムを真水国債を使うことなく、無理やり延命させようとしている政府であるという事を理解することです。


 これを多くの国民が理解をし、声を上げることが出来るならば「安楽死社会」と言う絶望的とも言える未来を反転させることが可能だと僕は思っています。


 ただ政府とマスコミは結託して「日本の財政は破綻する!」

「GDP比率の国債世界一!」などと連発をして国民を洗脳しにかかっています。


 このラインを崩していかなくては高齢者の年金保障、少子化対策とその先にある「安楽死社会」を覆すことは難しいのではないかな? と思いますね。



質問者:

 確かに高齢者の方に対してお金を削って若い方にお金を回そうという発想の根幹には「財政破綻論」と言うのがありますからね……。



筆者:

 僕はこのラインを突破できれば、日本に明るい未来が待っていると思うので、

難しいですがやれるだけのことはやろうと思います。


 という事でここまでご覧いただきありがとうございました。


 今回は年金の財政検討5項目はどれも「実質増税」「年金削減」のどちらかに類するものであること。

 そしてそれが進んでいった先の未来は「常時介護社会」「安楽死社会」「若者日本脱出」の3つの絶望的な未来が待ち受けているという事をお伝えしました。


 今後もこのような政治経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていきますのでどうぞご覧ください。

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