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絵色女神争奪戦

サニーミュージック本社では

ここ連日、会議が行われている。


今や神楽坂36、談合坂36

権太坂36のメンバー全員の中で

1番人気となった女神の

扱いを、どうするか?で

各グループの運営

トップが集まっていたのだ。


神楽坂36の運営トップである

永田が

『絵色女神が権太坂に

居るのでは

勿体ないです』


『神楽坂に入れた方が

彼女は、もっと光ります』と

発言すると


『人気に陰りが出てきた

神楽坂に入れたい気持ちは

理解出来ますが』

『権太坂36は今週

ダウンロード数で1位ですよ』


『新しいスターが欲しい気持ちは

分かりますが』

『永田さん、こんな横取りは

節操ないですよ』と

権太坂の運営トップの

山田が笑いながら

拒絶する。


『権太坂は岡田チカの

受け皿で作った

寄せ集めなんだから』


『神楽坂に貢献しても

おかしくない筈だ』と

永田が言えば


『そもそも、神楽坂の

人気の衰退の原因を作ったのは』

『あなたが出社社と共謀した

神楽坂のセミヌ-ド路線の

失敗じゃないですか』と


山田プロデュ-サ-が

そんなイヤミを言うと

永田プロデュ-サ-は

露骨にイヤそうな顔をする。


36グル-プに共通している事は

黒髪ストレ-トにワンピースで

清楚な、お嬢様路線であった。


茶髪や派手なメイク

過激な衣装は御法度で


全身縦ノリで身体を

動かすダンスは少なく


手先や腕を動かして

場所移動にトドメたフリで

おしとやかな美少女を

全面的に出した

パフォーマンスが売りである。


そんな清楚な美少女の

イメージとは真逆になる


下着姿やセミヌ-ドの

写真集の発売を

最近の神楽坂36は

多くし始めたのであった。


憧れの美少女に

夢中になっている

ファンにしてみたら


アイドルの下着姿は

喉から手が出るほど

見たい写真なので


高額な写真集が

何十万冊と

売れているのだ。


密かに恋こがれていた

憧れの美少女の

下着姿に

初めは衝撃的だった

ファンだったが


色々なメンバーが

似た路線で

写真集をドンドン

出してきて


ギャル路線のアイドルや

グラビアアイドルと

それほど

変わりなくなってきてしまい


結果、CDの売り上げも

下がってきているのが現状だ。


『噂だと、永田さん』


『出版社に車を貰って

貰ったらしい

じゃないですか?』


『女神も加入させて

下着姿で写真集を売り出す

計画なんじゃないですか?』と

山田プロデュ-サ-が言うと


『車は借りているだけだ』と

永田が焦りながら

弁解している。


出版不況の中、神楽坂の

写真集は男女問わず

売れていた。


この永田プロデュ-サ-の

上手くてズルい部分は


普段からメンバー達に

『女の子に推される

アイドルに成らないと

売れないぞ』と

鼓舞していた

ところである。


この子だと思ったメンバーに

女性ファッション誌の

下着姿のモデルを提案する。


下着姿の撮影に難色を示す

アイドルに

『同性である女性が

見る雑誌だろ?』

『ファッションリ-ダ-の

お前だから来ている

オファーだよ』


『女性が憧れる

かっこいい女になってくれよ』

そう言って乗せて

雑誌で下着姿を

撮影させていく。


当然、断るメンバーも出てくる。


すると別のメンバーが

雑誌で下着姿を披露して

『キレイ』と賛辞を受けている

記事を見せる。


『お前が断った仕事は

こうやって大成功したんだよ』

そう言われて

後悔しているメンバーに


『ここだけの話だぞ』


『今、写真集の話が来ているんだ』


そう聞かせられたメンバーは

色めき立つ


あの仕事を受けていたら

キレイと言われていたのは

自分だと言う自負があるからだ。


『それ私にやらして下さい』

そう直訴するメンバーに


『今までの写真集の

概念を壊す

新しい試みだから』

『下着姿もあるぞ?』と

永田プロデュ-サ-は

少し困ったように言うが


『私、頑張れます』

そう熱く語るメンバーに


『少し過激な撮影も

あるんだが?』

そう言われるが


雑誌のオファーを断って

失敗している気持ちに

なっている所に

単独での写真集の話を聞いて


自分が断ったら

この話が他のメンバーに

流れると思っているので

『大丈夫です』と

言わせてしまうのだ。


いざ撮影現場で

本人が想定していた

下着姿より

過激な撮影が行われて

オファーを後悔していた

メンバーだったが


やがて神楽坂の

現役メンバーの

横チチ写真や

下チチ写真が

掲載された写真集は発売されて

記録的な売り上げを見せる。


最初は過激な撮影に

少し後悔していた

メンバーには


『すごいキレイ』

『かっこいい』と言う

賛辞が寄せられて


本人も喜びが大きくなり

『勇気を出して良かったです』と

インタビューで

答えてしまうのであった。


年頃の女の子で

身体のラインを見られるのを

イヤがって

水着撮影も固辞していた

メンバーに


『アイツの写真集を見たか?』

『水着撮影も断っている内に

新しく入ってきた

メンバーに負けるぞ?』と

囁く。


こうして

メンバー内の露出の競い合いで

グラビアを席巻していくが


清楚なお嬢様なので

ファンになっていた層は

離れていき

権太坂に抜かれたのであった。


そんな過渡期を迎えた

神楽坂を考えて


神楽坂、談合坂、権太坂を

合併させる案も浮上していたが


権太坂の運営トップの山田は

『権太坂は、このまま

単独で行きます』と

頑なに拒否を貫いた。


そんな大人たちの話など

知らない女神と美桜は


スタジオから2人で

楽屋へと向かっている。


『ゴメン女神ちゃん、トイレ』

そう言って美桜は

トイレに立ち寄る。


トイレの前で

美桜を待つ女神は

立花から貰った

アップルウォッチを

色々と触っており

ニコニコしていた。


すると女神の前に

男性が現れて

『絵色女神さんですよね?』と

声を掛けてきた。


『はい?』と

警戒心丸出しで

40代前半の

業界人風の男に

女神が答えると


『大変失礼致しました』

『申し遅れました、

わたくし、こういう者です』と

女神に名刺を差し出す。


ここで美桜がトイレから

出て来たが

女神が男性と話しているのを見て

トイレの壁に身体を隠した。


貰った名刺をマジマジと

見た女神が

『エイバックス、常務取締役

サムソン冬木さん?』

名刺に書いてある文字を

不思議そうに

読み上げると


『はい、冬木と申します』


『是非、あなたに

移籍をして頂きたくて

探しておりました』


『サニーミュージックさんと

契約更新をせずに』

『是非エイバックスと

契約をして下さい』


『絵色女神さんをソロデビューさせて

欲しいんです』


『契約金と移籍金込みで

1億円をお支払いします』と

好条件を提示したのであった。


その話を盗み聞きしていた

美桜は驚いて

飛び上がりそうになっている。


だが女神は

『アタシ、サニーミュージックを

辞めるつもりはないですから』と

秒殺で移籍話を却下すると


『移籍金だけじゃなく

最優遇の待遇でソロデビューを

約束致します』


『ワンク-ルに一枚の新曲リリースと

年度推しア-ティストも

約束します』と

男は更に頭を下げた。


レコード会社との契約も

色々ある。


ワンク-ル1枚なら

3ケ月に一度

シングルを発売するので

1年で4枚のシングルが

リリースされる事になる。


更に2024年度のレコード会社の

推しア-ティストになれば

ドラマとのタイアップや

広告料も莫大になるし

PVの撮影予算も桁違いだ。


レコード会社と

契約したと言っても

ピンキリで

本当に契約しているだけで

移籍後、2回シングルを出して

後は新曲を出せない

タレントも多い。


そんな業界の常識を考えて

アイドルに対して

最優遇の条件を提示したが

女神に断られてしまった

エイバックスの常務は


『サニーミュージックの

待遇は、もっと良いんですか?』と

質問すると


『全然、そちらの方が

良いと思います』

そう女神が答えた。


『だったら、何故

ウチに来て貰えないんですか?』と

常務が質問すると


『アタシ、芸能界を

引退するつもりなんです』と

女神は笑顔で

答えたのである。








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