表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/128

狙われる

『着信拒否されたから

会いに来たよ』

見るからにチャラい

茶髪の20代の男が

小林に話しかけてくる。


その状況に彼女は震えて

立花の背中に逃げ込んだ。


『どちら様か知らないけど』

『彼女は今、仕事中なんだよ』

明らかに嫌がっている小林の姿を

感じて立花がそう言うと


茶髪男は

『あん?』と

立花を、睨みつけた後

『俺は邦子ちゃんに

用事があるんだよ』と

すごみ

立花を、威嚇してくる。


『小林、ちゃんと彼に説明しろ』

背中に隠れている小林に

そう促すと


『すいません、仕事中なんで』と

立花の背中に隠れたまま

震えた小さな声で言うと


『仕事なんてシカトして

遊びに行こうよ?』と

立花が見えていないように

彼女に話しかけてくる。


『今、言ったように

仕事中だから』

『お引き取りください』

立花がそう言うが


『着信拒否されて

連絡が取れないから』

『わざわざ、ここまで来たんだよ』と

半ギレ状態で

立花に飛びかかりそうな雰囲気で

怒鳴ってきた。


『仕事中だと言っていますよね?』

立花も、負けずに

そう言い返すと


『なんだ、やるのか?』と

臨戦態勢で茶髪が向かってくる。


スッとスマホを取り出した立花が

『これ以上、しつこいようなら』

『威力業務妨害で警察に

通報しますよ?』と

言い放つと


マズいと思ったのか引き下がり


『じゃあ、邦子ちゃん』

『仕事が終わる頃、また会社に

来るからね?』と

立花の背中に隠れている

小林に告げると

手を振りながら

会社の前から去って行った。


茶髪男が完全に

いなくなったのを確認して

背中の後ろに隠れている

小林を確認すると


下を見ながら

ブルブルと震えていた。


これは仕事にならないと

判断した立花は

小林と一緒にオフィスに戻り

藤波係長の元に報告に行く。


事情を聞いた係長は

『名刺をバラまいたのは

マズいな』とポツリと呟く。


『さっきからウチの会社にも

小林宛の電話が何件か

入っていて不思議だったんだ』と

会社にも迷惑が

かかっている事が分かった。


『今日の帯同訪問は中止にします』

立花がそう言うと


『確かに、その方が良いな』と

藤波係長も同調して

立花の単独訪問が決まる。


昨日のキャンセル分を含めると

元々の予定と合わせて

相当ハ-ドな予定になるので

立花は急いで外に出た。


担当先でメンテナンスをしながら

立花は自分の軽率な行動を

後悔している。


自分に自信が無い小林に

良かれと思って

コンタクトに変えさせたり

サロンに連れて行き

メイクをしてしまった。


まさか、ここまで

大騒ぎになるとは思って

いなかったのだが


小林のアフターフォローも

考えるべきだったと

悔やんでいる。


会社に戻ったら小林に謝ろう。

自分のせいで迷惑をかけて

しまった事を詫びなきゃいけない。


そう考えて仕事のペ-スを上げる。


急ピッチで仕事をこなして

今日のノルマを全て完了させて

立花は会社に戻った。


オフィスに戻ると小林は

1人でPCで打ち込みをしている。


『小林、ちょっと良いか?』と

彼女に声を掛けて

オフィスの外の廊下に

呼び出し


『俺が余計な事をしたばっかりに

迷惑をかけてゴメンな』と

謝った。


『え?何で立花さんが

謝るんですか?』と

小林は驚いた顔をして

聞き返してきたので


『俺がイメチェンなんて

バカな事をしたから』


『変なのが集まってきたり

騒がしくなっちゃって

迷惑かけているだろ?』と

立花は頭を下げて詫びる。


その立花の姿勢を見た小林は

立花の身体を起こすように支え

『止めてください』

『立花さんは悪くありません』


『悪いのは全部、私なんです』と

彼女も謝っている。


『声を掛けられて勘違いして』

『名刺まで配って、しまって』

『本当に申し訳ありませんでした』と

身体を半分に折るくらい

頭を下げて小林は詫びていた。


『立花さんは、さっきも

怖い人が脅してきても逃げずに』

『私を守ってくださった

じゃないですか?』

『私、本当に嬉しかったです』


『だから、私に謝るなんて

止めてください』と

立花に懇願をしている。


『自分が綺麗に変わって

生まれ変わったみたいで

嬉しかったんです』


『でも、もうメガネに戻しますし

メイクもしません』


彼女は、そう言った後は

何も言わなくなった。


立花も、しばらく黙っていたが

『そうか』と言って

彼女と一緒にオフィスに戻る。


時間は18時となり

みんな帰り支度を始めたが

仕事が終わっている筈の

小林は帰り支度を始めない。


午前中に会社の前で

待ち伏せしていた

茶髪男が

待っているのでは?と

考えており


怖くて帰れないのであった。


その姿に気付いた立花が

『俺で良かったら

一緒に帰ろうか?』と

立花が声を掛けると


少し涙目になった小林が

『ありがとうございます』と

お礼を言ってくる。


直接、対峙した立花も

『仕事終わりに待っている』と

言っていた

茶髪男の言葉は本当のような

気がしていた。


取り越し苦労なら、

それで良い


そう思って2人で

会社の外に出ると


やはり茶髪男は待っていた。


すぐに立花と小林に気付き

立花を睨んだ後に

『邦子ちゃん、飲みに行こうよ?』と

ウソ臭い笑顔を作り

彼女を誘うとしているのであった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ