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CMクィーン

オルファルコン社の CMが放送されると

権太坂36のサイトは

一時繋がりにくくなった。


CMを見てファンになった人が

絵色女神のグッズを求めて

大挙してサイトに集中したからである。


だが、女神のグッズは先週に

全て完売しており

全商品入荷待ち状態であった。


サイトに来たからには

何か欲しいと考えた人々は

女神を含めた全員が写っている

グッズを買ったので

そちらも今日で完売となる。


その人気は握手会の事前予約でも

如実に現れており


CD購入に同封されている

抽選での握手会の参加券は

ネットで事前予約が必要だが


女神の枠7200枚は

全て予約済みとなっていた。


握手会と言えば聞こえは良いが

1人1秒で手にタッチをしたら

流れ作業のようにスタッフに

アイドルの前から引き剥がされ

外に出される催しだ。


『応援してます、頑張って下さい』

その言葉を全部、言い終わった時には

外に出されて終わっている。


だが大好きなアイドルを

目の前、50cmの至近距離で見れて


タッチ出来る事は

魅力的であるようで

毎回、握手会は盛況で

CDの売り上げに貢献をしている。


女神の7200回の予約枠は

1人1秒で60人とタッチするのを

2時間連続で実施して

こなせる数字である。


運営サイドも流れ作業のように

処理をしていかないと

こなせない人数であった。


握手会当日はミニコンサートもあり

お目当てのアイドルと

握手を出来なくても

楽しめるイベントになっている。


なので推しの枠が取れなかった

ファン達は2番推し、3番推しの

握手会に変更希望を変えていき


握手会での対応が神対応で

推しを変えたなんて話も聞く。


前回の女神の握手会の希望者は

200人程度だった。


運営サイドも、ここでの人気で

グループ内の序列を付けている。


残酷だが2桁しか列に並ばない

メンバーもおり

公開処刑のようなイベントに

耐えられずに

胃が痛くなる者もいるそうだ。


こんな時に運営サイドに

『水着の仕事が入っているけど

やってみるか?』


そう言われたアイドルは

起死回生の一発にかけて

青年誌のグラビアに登場する。


朝から流された女神が出演する

オリファルコン社の CMは

日本中の話題をさらっていた。


絵色女神って可愛いよな?


モテない中学生男子3人組の

ジャガイモは

『俺、絵色女神だったら

3億円を払っても良い』と

空想を語り


友人に

『絵色女神と付き合う為に

俺ら3人で韓国に渡って

アイドルに成らないか?』と

妄想を膨らませている。


屋上でジャガイモが

戯れる日本は幸せであると言っても

過言ではない。




場所はサニーミュージック本社


広告代理店の数社から問い合わせが

事務所に何件も入っている。


『絵色女神の出演料と CM出演可能な

業態を教えてくれ』と言う

ものばかりだった。


オリファルコンが一番最初に

女神に目をつけて

華々しくオンエアが開始された。


女神出演中の CMを見た

他企業のクライアントから

出演の打診依頼が

代理店に殺到していたのだろう。


ここに需要と供給のバランスが

出てくる。


当初、オリファルコンの CMに

女神が出演した時の契約金は

1億円だった。


次のミラージュ社が依頼した時は

1億1000万円にアップされて


ジャックモンド社の時は1億2000万円と

2番手、3番手は上がってきている。


だが、これはオリファルコン社の

CMが放送される前だったので


絵色女神の出演料は2億円に

今日から変更となった。


その値上げした予算でも化粧品会社と

即席麺メ-カ-が

即決で出演依頼を確定させていた。


はじめから3億までなら抑えて

欲しいと言われていたのだろう。


この日、新しい CMが

女神の知らない間に7本も決まった。


CMクィーンと呼ばれる女優でさえ

現在は18社である。


それをデビューして半年も経っていない

アイドルがモノにしているのは

間違いなく

シンデレラストーリーだろう。


この事態で事務所サイドは

女神のテレビ出演の方針の

変更を決めた。


今まではバラエティのゲストでも

ワイドショーでも

呼ばれた番組には出演を

させてきたが


この何日間で視聴率の高い番組に

出演を絞り始めたのであった。


この1週間の多忙なマスコミ媒体の

出演に女神が疲れてきた事を

考慮したのも一つだが


過度の出演でタレントの鮮度の

劣化を未然に防ぐのが目的である。


日本のテレビ局は1人が売れると

各局がこぞって出演依頼をして

どの局の番組にでも出演するので

世間に、すぐ飽きられてしまい

タレント生命の寿命が短くなる。


飽きられてしまう。


芸能人としての宿命だが

やり方次第では

賞味期限を伸ばす事は可能だ。


山田プロデュ-サ-は

そう考えて

女神の出演を制限する事にした。


この方針で女神に時間のゆとりが

作れるようになる。


『立花さん土曜日、日曜日は

お休みですよね?』

仕事の合間に、今日も女神が

電話をしている。


日曜日は蝶野とアニメイトに

行くが女神には内緒だ。


『あぁ、休みだよ』

立花が答えると


『金曜日の夜に泊まっても

良いですか?』と

彼女が尋ねてきた。


『金曜日って、明日の夜か?』

『仕事は大丈夫なのか?』

立花が、ここ最近の女神の

ハ-ドスケジュールを考えて

心配すると


『金曜日の夜は終わりの予定が

21時なんです』

『次の日は朝10時に赤坂なんで

夜更かししても大丈夫なんです』

そう聞いた立花は


『俺は土曜日はヒマだから

全然、大丈夫だよ』

そう立花が答えた事で金曜日の

お泊まりが決定する。


1週間振りに女神が泊まりに来る。


前回は女神が女の子の日で

途中までで終わっていたが

今回は大丈夫だろう。


明日が楽しみな立花とは違って

嬉しい半分、複雑な気持ちが

入り交じる女神であった。


広告代理店の濱口に無理矢理とはいえ

キスをされた事を

まだ言っていない。


言ったら嫌われて、振られてしまう?


キスされた事を立花に話すか?

女神は悩んでいた。






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