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美桜の決心

記者会見の翌日からサニーミュージックの

権太坂チ-ムの電話は鳴りっぱなしだった。


TV局からのバラエティ番組への

ゲスト出演依頼や

ラジオ局や雑誌も出演依頼が多数来ており

対応出来ずにスタッフを増員したほどだ。


漫才のM-1で優勝した瞬間から

そのコンビのマネージャーの電話に

出演依頼が殺到すると言うが

その勢いで


絵色女神への出演依頼が殺到している。


向こう1ケ月は全てスケジュールが

埋まってしまっている為に


TV局へは出演辞退をしなくては

ならない状態だが

『せっかくですから越中美桜なんて

どうでしょうか?』

『彼女も女神と同期で次に売れるのは

彼女だろうと』


『ウチで1番の推しメンバーなんですよ』


『今のうちから使っていたら、

鼻がきくって業界でも評判になりますよ』


そう言った事務所の売り込みで


『そうだね、女神ちゃんの代わりに

女性アイドル枠は欲しいから』

『その子の予定を押さえておいて下さい』


こんな感じで事務所で1人が売れると

補欠要員で他のメンバーも

メディア露出が増えていく。


補欠要員で出演出来たタレントは

嬉しい気持ち半分


自分のチカラじゃない事を認識して

複雑な気持ち半分である。


大手事務所や売れっ子アイドルがいる

事務所なら


おこぼれや売れっ子のバ-タ-で

出演機会も見込めるが


何の後ろ盾もないタレントの方が

圧倒的に多く


アイドル戦国時代の中で埋没している。


女神の給料も多くなかったが

弱小事務所に所属しているタレントは

1ケ月の給料が10万円以下の人間も

珍しくない。


本業のアイドルの仕事が不定期で入るので

時間制でアルバイトのシフトに

入ることも出来ない。


事務所に隠れて個人撮影のモデルとして

稼ぐ者や


水商売で短期で稼ぐ者もいるが

SNS全盛期の今


身元がバレたら芸能人としては

終わってしまうので

秘密の会合でスポンサー探しをする

タレントが多い。


美人女優がファッションブランドの社長と

結婚なんてニュースが流れるが

この秘密会合が舞台となっている。


元広告代理店の社員だった人間が

当時取引のあった社長たちに

女優やタレントとの

パーティーをセッティングする。


金持ちたちは地位も名誉も高級外車も

手に入れてしまうと

次に欲しいモノは

『イイ女』である。


外国の王様しかり、全てを手に入れた男が

欲しがるのは


人が羨むような美女を手に入れることだ。


安定や保証の無い人気稼業のタレントは

将来を危惧して玉の輿を目指して


金持ちや社長が集まるパーティーに

こぞって参加したがる。


両者の利害が一致して毎回、会合は

大盛況だった。


女性タレントは参加費は無料だが

男性側は数十万円を支払う。


高額な年収を稼ぐ連中にとっては

痛くない金額だ。


女性タレントは無料だが、ある程度の

基準は設けている。


自称アイドルや見た事のない

地下アイドルは参加は出来ない。


タレントからの紹介で参加にしないと

社長たちからは高額の参加費を

取っているのでクレ-ムがくるからだ。


逆に有名な女子アナや人気女優を

連れてきた女性タレントには

特別ボ-ナスが支払われる。


全く接点が無いと思われるプロ野球選手と

女子アナが結婚したり


人気若手女優がIT社長と突然

結婚したりするのは

『情報交換会』と言われる

この秘密会合がきっかけである事が多い。


その会場に越中美桜が姿を見せたのは

1週間前の事だった。


少ない給料を補助してくれる人や

芸能界での自分の後ろ盾になってくれる

スポンサー探しが目的であった。


会場では胸に名前と年齢、アイドルや

グラビア、モデルといった属性を

書いた名札をつけている女性達と


男性陣も名前、年齢、職業、会社名

そして露骨に年収まで書いてある

名札をつけて会は進行していく。


立食パ-ティー式で何個かの円卓の上には

ホテルのケ-タリング料理が並ぶ。


その円卓を輪にして、色々な人が

歓談をしていた。


越中美桜は初めて会合に参加したので

ネ-ムプレ-トには若葉マークを

つけて参加となっている。


ピ-クが過ぎたグラビアアイドルより

誰もコンタクトを取っていない

若葉マークを男達は求めるので


越中美桜の手元には、すぐに

社長たちの名刺が集まっていった。


会合に参加する時に後で名前と顔が

覚えきれなくなるので


第一印象や提示された条件を

貰った名刺に点数でメモすると良いと

運営スタッフに聞いていたのが

役に立ってきた。


現役アイドルで16歳の越中美桜の元には

すぐに30枚近くの名刺が集まったからだ。


参加している男たちは変態が多く

若い美桜には列が出来ている。


その場で貰った名刺の裏側には

社長のプライベートの

携帯番号が書いてあり


女性が気にいった場合には

後から連絡が出来るようにしており

会場で話がまとまらなくても

機会を持てるようにしてあった。


越中美桜は会場で貰った名刺に1週間

電話をせずにいた。


それは熊本に残していた彼氏の事が

1番大好きだったからで


電話をすれば彼氏を裏切ることになる事は

彼女も分かっていた。


金持ち達が自分に何を求めて

援助やスポンサーを申し出ているかは

分かっている。


権太坂で頑張ってきたが芽は出ない。


そのうち売れたら嬉しい、軽い気持ちで

しばらく活動していたが


同期の絵色女神が目の前でブレイクした。


ゲ-ムアイドルとしてCM出演を

決めただけでなく


佐山サトシを引っ張ってきて

新曲のセンターまで獲得した。


神楽坂の人に枕営業を否定していたが

何もなく女神ちゃんが

大活躍をするなんてあり得ない。


私の方が絶対に可愛い。


チャンスさえ有れば私の方が売れる。


彼女には負けたくない、その一心で

名刺をくれた男性に電話をしていた。


電話の相手はチョコレートやアイスを

作るお菓子会社の30代の社長だった。


美桜も知っている有名メ-カ-の

社長を30代でしているので

おそらく2代目だろう。


見た目や印象で選んだ訳ではなく

『ウチのCMに半年契約、それとは別に

月のお手当は50万円』


『会うのは月3回で泊まりはナシ』

『会う時間は2時間、どうかな?』


電話で聞いた内容で美桜は即決した。


電話をした、その日の夜に社長に

呼び出されて


都心の高級ホテルの一室に呼ばれた

美桜は社長と面談を始めた。


『こんな関係だから契約書は

存在しない』


『だが月曜日には、美桜ちゃんの事務所に

広告代理店からCMの出演依頼が入る』


『そこで契約がスタートする』

『それで良いよね?』

社長に聞かれた美桜は覚悟を決めて

『はい』と頷いた。


『じゃあ、こっちにおいで』

そう言って美桜をベッドに誘う。


手を引っ張って、美桜をベッドに

仰向けに寝かせた社長は

『美桜ちゃんは16歳なんだよね?』と

言いながらニヤニヤして聞いてくる。


嫌われちゃいけないと思った美桜は

ひきつった笑顔で

『はい、そうです』と答えた。


それを聞いた社長は嬉しそうな顔をして

美桜のほっぺたをベロベロと舐めて

ヨダレまみれにした後

乱暴に美桜を扱った。


きっちり2時間、美桜を楽しんだ社長は

『金は払っているから泊まっても良いし

好きに使って、俺は帰るからさ』


『また連絡するよ』

そう言って部屋から出て行った。


広いホテルの部屋に1人残された美桜は

全裸のまま風呂へと歩いていくが


社長にぞんざいに扱われて

フラフラした足取りになっている。


全身を舐められてヨダレの匂いが

残っていたので


早くシャワーを浴びて社長の痕跡を

消したい。


『いたっ』

乳首がお湯にしみて激痛が走った。


『何度も、乳首をねじりやがって

いてぇ〜んだよ』


『こうちゃんは、もっと優しく

してくれていたんだよ』


そう言った自分の言葉で彼氏を思い出した。


熊本から東京に来る時に

『俺を捨てないでくれよ』と言う彼氏に


『私が好きなのはこうちゃんだけだよ』と

誓って上京した事を思い出す。


帰省する度に愛しあっていて


『大学は東京に行くから待っていてくれ』

彼氏は変わらぬ愛を伝えてきた。


熊本に残してきた彼氏の事を思い出すと

笑った顔が思いだされていく。


シャワーを浴びても消えない乳首の痛みが

彼氏を裏切った事実だと認識して

美桜は声をあげて泣いた。





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