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権太坂VS神楽坂

予想以上の反響に立花が色々な

予測を立てる。


今まで女神を知らなかった人達も

これだけテレビで彼女の顔と名前を

連呼していれば


絵色女神を認知しているだろう。


そんな彼女が自由が丘駅まで立花と

手を繋いで歩いていれば


朝の情報番組を見たばかりの女子高生に

ロックオンされて

すぐにTwitterにアップされて

終わってしまう。


芸能人が車で移動して出入り口が

見つからないマンションを

利用したがる理由が分かった。


女神にその事を説明すると

彼女もそれを理解しており


事務所側は今日の事を想定して

送迎の車を準備していたとの事だ。


変装してもバレるリスクはある。


彼女に自由が丘駅からはタクシーに

乗って移動するように2万円を渡して


駅までの距離は女神を先に歩かせて

立花が5mほど後ろを歩いていく

駅まで尾行作戦をする事にした。


身支度をして外に出ようとした時に

女神が玄関先でモジモジしている。


『忘れモノか?』

立花が聞くと


頬を赤らめながら下を向いたままだ。


バレるリスクを恐れているのに

しょうがないな


『いってきます、のキスをする?』

立花がそう聞くと


すぐに顔を上げて

『はい』と

彼女が笑顔で返事をしてくる。


リクエストに応えて立花が女神のアゴを

持ち上げて唇を重ねた。


3秒ほどして立花が唇を離すと

目を閉じていた女神が

ゆっくりと目を開けて


名残惜しそうに立花を見つめている。


立花も、それを理解しており

再びキスをして舌を絡めあった。


1分ほどの濃厚な時間が終わり

駅までの護送作戦を始める事にする。


アパートのドアを開けて

女神が足早に家を出て


立花がすぐ後から女神の後ろ

5mほどを歩き、駅へと向かう。


朝の通勤、通学時間なので

他の通行人に出会うが

みんな駅方面に向かっているので

顔を確認される事はなかった。


野球帽にマスク、伊達メガネで

完璧な変装をしている女神なので


仮にスレ違ってもバレるリスクは

少ないのだが


先行して歩いている女神は

立花が後ろから歩いているか?

気になって何度も振り返ってしまい


その行為を何度か繰り返しており

かえって不審者のようになっている。


女神と立花の間を、たまたま歩いていた

オジサンは


女神が何度も振り返って来たので

チカンに間違われたと思ったのか?

急ぎ足で女神を追い抜いて行った。


尾行作戦は失敗だな。


そう感じた立花は女神の横に並んで

歩く事にして

そのまま駅へと向かう事にした。


誰にも見つかる事なく駅に到着した女神は

タクシーに乗り込んで集合場所に

向かって行った。


駅から電車に乗って会社に向かう立花は

Yahooニュースを開いて情報収集をする。


検索キ-ワ-ドは女神の事と

エクシブハンターの事で占められており

改めて、今後の密会方法を考え直す

必要を感じる立花であった。


朝の通勤タイム、都内は車もラッシュで

多くなるが、それても集合時間10時より

早い9時前に女神がサニー本社の前に

到着すると


100人以上のファンが待ち構えており

大騒ぎとなっている。


『アタシじゃないよね?』

そう独り言を女神が言う。


だがイヤな予感がする。

『運転手さん、駐車場まで

行って貰えますか?』

そう言って遠回りになる地下駐車場へ

車を回してもらった。


時間は9時、集合時間より1時間も早い

今日こそは1番乗りかな?


そんな気持ちで集合場所である

会議室の扉を開けると

既に越中美桜が来ていた。


『おは、美桜ちゃん早すぎ』

女神の呼びかけにスマホを見ていた

彼女が反応して


『来たな有名人』と

女神を見ながら笑って話しかけてくる。


『やめてよ〜、そんな事を言うのは』と

女神が答えたが


急に美桜が真顔になり

マジマジと女神の顔を見つめ始めた。


『何か付いている?』

心配になった女神が美桜に聞くと


『女神ちゃんヤッタ?』と

お下品な質問をしてくる。


相変わらずストレートな美桜に

女神が顔を赤らめて

『まだ、やってないよ』と

下を向いて答えた。


『おかしいな、顔がヤッタ顔なんだよ』と

美桜は腑に落ちない顔だ。


女神はビックリしていた。


『美桜ちゃんは何で、そう思うの?』

素朴な疑問を美桜にぶつけてみると


『自論だけど』

『男とした女って、目元が変わるんだよ』


『視線が優しくなるって言うか』

『穏やかな感じになるんだよね』と

美桜の解説を聞いた女神は

自然と頷いている。


『本当にやっていない?』

美桜に再び聞かれた女神は


『半分かな?』と

恥ずかしそうに答える。


『半分?』

美桜が不思議そうに質問すると


『生理中だったんだ』と

女神がクチを尖らせて言うと


『ウチは生理中だと彼氏が喜んで

付けずにしてくるよ』と

過激な武勇伝を言ってきた。


『だって2日目だよ』

『ムリでしょ?』と女神は言うが


『じゃあ半分までって、どうしたの?』と

聞いてきたので


昨夜の出来事を割と細かく説明をした。


『女神ちゃん、だったらイッタんじゃない?』

『それなら、今日の艶っぽいのも

納得出来るんだよね』と

笑顔で言ってきた。


それを聞いて更に赤くなる女神に

美桜が更にゴニョゴニョと入れ知恵をして

女神は耳まで赤くなっている。


だが次に会う時は

生理が終わっているだろう。


今、美桜に聞いた事を試してみようと

誓う彼女がいる。


ガ-ルズト-クが一通り終わると

美桜から記者会見の質問が

次から次へと続いた。


緊張をしていたが会場の雰囲気に

感動していた心境を話すと

美桜は

『女神ちゃんは、だいぶ先に

行っちゃったよね?』と

寂しそうに言ってくる。


美桜の、そんな発言に

『そんな事ないよ』と女神が否定するが


『朝の情報番組で全局でウチが

映る事なんて一生ないよ』と

美桜は呟いた。


美桜も全局で放送される日が来る日が

今は、まだ知らない。


そこからはCM撮影やポスター撮影の事を

美桜に聞かれた彼女は

嬉しそうに説明をした。


立花に説明をしている時も楽しいのだが


同じ環境の美桜は聞き上手で

女神が質問されると嬉しい項目を

ピンポイントでしてくれる。


『ほんで、ほんで?』


学校の休み時間に友達と話しているようで

女神も普通の17才に戻ったように

キャッキャっと楽しく話をしていた。


しばらく2人で話しをしていると


ガヤ、ガヤと

騒がしく大勢の人が来る声が聞こえてくる。


時間は9時20分、集合時間には

まだ、だいぶ早いが権太坂36の先輩達も

集まってきたのである。


すると女神を見つけて取り囲み

『テレビ見たよ』

『Instagramに私をアップしてよ』と

一斉に彼女に話しかけてくる。


先輩に場所を譲るように

美桜はゆっくりと女神から離れて

部屋の端っこに1人座った。


『私も仕掛けないと、追いつけないな』

そう言って一枚の名刺を見て美桜は呟く。


先輩達の取り調べは延々と続き

『1番優しい先輩は誰って聞かれたら

私って言ってよ』とか


『プライベートで仲が良いのは私って

言ってよ』と

図々しいものが多かった。


困った女神が愛想笑いをしていると


『バン』と


大きな音がして扉が開き

1人の女性がすごい剣幕で入ってきて


『絵色女神はどこ?』

そう言って怒り心頭で彼女を探す。


『船木さんだ』


権太坂のメンバーが名前を出す。


船木正子、神楽坂36のNO.5で

バラエティ番組にも出ているアイドルだ。


『アタシです』

人の輪の中心にいた女神が手を挙げた。


すると女神の元へ一直線で歩いてきて

『この泥棒猫』と

彼女を罵ったのだ。


初対面の彼女に泥棒猫呼ばわりされたが

女神は意味が分からない。


『何の事ですか?』

先輩であり有名人でもある船木からの

泥棒猫呼ばわりされた件が

何かの誤解だと分かって貰いたかった。


そんな気持ちで女神が話すが

『とぼけてんじゃねぇよ』と

船木の怒りは治らない。


会議室にいた全員が静まる船木の

迫力に圧倒されそうだったが


『本当に分からないんですけど』と

女神が聞くと


『オリファルコンのCMの件だよ』と

怒鳴りつけたのだ。


テレビで見せる、おバカキャラからは

想像出来ない迫力に先輩達は

怯えているが


『オリファルコンのCMで船木さんに

何の迷惑をかけたんですか?』と

女神は、ひるまなかった。


『はぁ?なめてんのか?』

『人のCM案件を盗んでおいて』

『ふざけんじゃねぇよ』と


アイドルより、ソッチの世界が

似合いそうな雰囲気で迫ってくる。


『アタシ盗んでいませんよ』

女神がそう言うと、被せるように


『あのCMは私で決まっていたんだよ』

『打ち合わせも何回もしたし』


『それが日曜日にバラしが入って』

『会見の場所には本当は私がいたんだよ』と

怒りながら説明をしてきた。


『船木さんがCMで決まっていた事は

初めて聞きました』

『アタシも月曜日に突然、CM出演を

聞かされてビックリしたんです』と

女神の状況を説明するが


『どうせ枕でもしたんだろ?』と

蔑むように船木は吐き捨てた。


枕営業


人気のない女性タレントが仕事と引き換えに

ベッドを共にして得る仕事の事だ。


『どうせオリファルコンの社長に

ベッドの中で頼んだじゃない?』

船木が言った言葉に


『アタシが会長に初めて、お会いしたのは

CM出演が決まった後ですよ』


『そんな事してませんし、計算も

合わないです』と

女神も一歩も引き下がらない。


『なんなら今、オリファルコンの会長に

電話して聞いてみましょうか?』と

女神が言い出すと船木がひるみ


『そこまで、しなくていいよ』と

電話をかけるのを止めたので


『広告代理店の濱口さんなら

真相を知っていると思いますから』と

女神が言った時に


『止めろって言ってんだよ』と

船木がブチ切れたのである。


『権太坂のくせに生意気なんだよ』

『3軍は3軍らしく、おとなしくしてりゃ

いいのが分かんない?』と言った言葉に

他の権太坂メンバーはムッとする。


その視線に気付いた船木が笑いながら

『オカダ チカの抜けた権太坂を

3軍って呼んで何が悪い?』と

言い放ったのだ。


オカダ チカ


体調不良を理由に無期限活動停止中の

権太坂36の不動のエ-スだ。


彼女が抜けた事で一部の人は

権太坂の事を3軍と呼んで比喩していた。


そんな中

『アタシ達が3軍なら船木さんは

4軍ですね?』と女神が言い返したのだ。


それを聞いた船木が

『何で私が4軍なんだよ』と

敵意剥き出しで言ってきたので


『3軍のアタシにCM競争で負けたんだから

4軍じゃないですか』

女神の発言に権太坂36のメンバー

全員が笑っている。


だが、それを聞いた船木は

鬼のような形相になって

『てめぇら、ぜって〜許さねぇからな』と

全員に睨みを効かせた。


サニーミュージックの中では神楽坂の方が

パワーバランスは上だ。


歯向かうなんて許されない上下関係が

出来ている。


その神楽坂36のNO.5を怒らせてしまった。


タダでは済まないだろう


権太坂のメンバーが全員そう思っていた時

『船木さん、コッチも向いて下さい』と

明るい声で女神が話しかけた。


『はぁ?』

怒り狂った船木が女神を見ると

スマホで船木を撮っている。


『なめてんのかよ?』

『こんな時に写真なんか撮りやがってよ』

そう言って女神に近づこうとした。


『違いますよ船木さん、動画ですよ』と

女神が訂正すると


『写真だって、動画だって、そんなのは

ドッチでも良いんだよ』と怒鳴るが


女神は

『テレビのおバカキャラの船木さんが

本当は、こんなに迫力があるって』

『動画の方が世間には

伝わるじゃないですか?』


笑顔で女神がそう答えた。


『ウソでしょ?』


真っ青になった船木が女神に聞くと


『はい、船木さんが怒鳴り込んで

この部屋に入ってきた部分も

全部、録画しています』


女神の、その説明に

『脅す気かよ?』と

船木が震えた声で聞いてくる。


『脅すなんて、とんでもない』

『でも、アタシおっちょこちょいなんで

よく失敗しちゃうんです』


『上げるつもりが無い動画を間違えて

アップしちゃう時があるんです』

女神が、そう説明すると


『お前、そんな事したら

タダで済むと思うなよ』と言って

女神を睨みつけた。


『船木さんは朝のワイドショーを

見てくれました?』


『アタシのInstagramの登録者数が

300万人を超えたそうです』


その話を聞いた時に

船木は怯えたような表情になり


『ウソでしょ?』

『そんな事しないよね?』と

声を和らげて懇願するように聞いてきた。


『間違えてアップしちゃったら、すいません』


300万人にさっきまでの悪態が晒されたら

船木の芸能人生活は終わりだろう。


それを察した彼女は

『すいませんでした』と言って

権太坂の部屋から出て行った。


『ヤッタ〜』

『最高だよ、女神』


権太坂のメンバーが女神を取り囲み

歓声を上げている。


みんな船木の事を嫌っていたが、

どうする事も出来ずに

いつも悔しい思いをしていたからだ。


そんな船木を成敗してくれた女神は

彼女達の中でヒ-ローとなっている。


『でも、よく動画なんか撮っていたね?』

メンバーの誰かが言った言葉に


女神が

『動画なんて撮ってないですよ』と

笑いながら説明する。


『なんか、いじわるされたんで』

『意地悪を仕返して、やっただけです』

そう説明する女神を心の中で


『こわっ』と思う

権太坂のメンバーであった。





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