トップアイドル誕生 1
猪木会長との電話を切った後、立花は昨夜の内容が載っているネットの記事を見まくった。
エクシブハンター自体が社会的に認知されてきており、
公式ガイドブックにも掲載されていない新技をアイドルが発表した
その事実が世間に受けたようで4本ほど、記事としてyahooニュースにある。
1番気になった記事は
『女神ちゃんがGODに伝授された新技を更に発表するのでは?』と言う記事だ。
確かに、そう考えるのが普通だよな。
GODの弟子だからと、世間の目は見るが彼女は初心者に近い
昨夜は何もレクチャーをしなかったが、今度来た時には
基本技や技術、それに新技を教えておかないと彼女が恥をかく事になる
それは絶対に避けないと
彼女の始まったばかりのアイドル生活にケチがついてしまうと考えていた。
そんな時、立花のスマホがまた鳴った。
週に一回鳴れば多い立花の電話が1日に二回鳴る事は異例な事だ。
『トニ-』
画面に出た名前を見て、かけてきた相手がエクシブハンターの中でチ-ムを組んでいるメンバーだと認識する。
『もしもし』
立花が受電すると
『えらい騒ぎになっているじゃないですか?』
少し大きな声でトニ-が喋りだす。
確か都内に住む20代のフリ-タ-の男子だと言っていたが詳しい事は聞いていない。
トニ-は他のチ-ムメンバーとプライベートで会っているらしいが
立花は一切関わっていないので詳しい素性は知らないのだ。
『いつの間にアイドルとコンタクトを取っていたんですか?』
やはり、その質問か。
『最近ログインが少なかったから心配していたんですけど』
『権太坂が絡んでいたなら納得です』と
一人で自己完結してきた。
『そんなのじゃないよ』
『教えたのも一回だけだから』
立花がそう説明するが
『隠さなくても、いいですよ』
『俺もよく使う手です』
『コツを説明するのに、目の前じゃないと出来ないからって言って』
『自分のマンションに入れてますから』と
笑いながら説明してくる。
こいつ、そんな奴だったのか?
立花は軽蔑したが、自分が絵色女神にした事も褒められた行動ではないと思い
笑って誤魔化す事にした。
『権太坂もイマイチですからね?』とトニ-が言った言葉が気になり
『権太坂って、イマイチなの?』と質問すると
『ヒット曲が無い上に、不動のセンターが無期限活動停止を発表しましたからね?』と言って、
ネットで仕入れたと思われる裏情報を色々と教えてくれた。
神楽坂や談合坂の余った曲をリリースしており、冷遇されている、その話は興味深い。
確かに良い曲とは、お世辞にも言えないメロディだとは立花も思っていた。
『そうなんだ』
『確かに、ヒット曲が欲しいよな?』
立花がそう言った言葉に
『ウチのチ-ムのフランキーに頼んだら、どうですか?』とトニ-が提案してくる。
フランキー?
ゲ-ム内で、いつも逃げ回っていて、俺が助けている奴だ。
『あのフランキーが、どうしたの?』
そうトニ-に聞くと
『覚えてないですか?』
『フランキーをチ-ムに入れる時に説明しましたけど』
『あいつア-カムの佐山 サトシですよ』と
力説してきた。
『ア-カム?佐山?』
『何だっけ、それ?』
初めて聞いたアフリカの国の首都みたいな感じで立花が聞くと
『はぁ?ア-カムですよ?』
『マジで言ってんですか?』
そう言って怒り出したのだ。
『ア-カムね?知っているよ』
そう言って妖怪ウォッチのウィスパー張りに検索をする立花。
すると
『東京ドーム3daysチケット5分で完売』の記事が出てくる。
『あ〜、朝のワイドショーでやっていたね』と、
やっとア-カムの情報と知識が追いついた。
『フランキー売れているもんね?』と
立花がトニ-のテンションに合わせるように相槌を打つと
『売れているなんてもんじゃないですよ』
そう言ってア-カムについて語り出す。
千葉県出身の4人組のロックバンドで、ボ-カル兼ギターの佐山サトシを中心に結成されたバンド。
バンドの全ての曲の作詞作曲を佐山がしており、現在まで発売したアルバムは全てビルボード日本版で1位となっていた。
オリンピック放送のNHKでのメインテーマ曲は、立花でも知っていた。
だが、近所のイオンで佐山サトシと、すれ違っても立花は気付かないだろう。
『でもフランキーは曲を書いてくれないだろ?』
存在がビッグだった事に気付いた立花が、そう呟くと
『GODさん、あなたが頼めばOKしてくれるかもしれませんよ』
そうトニ-が告げる。
『何で?俺は親しくないし』
『そんなに絡んでないから』と否定すると
『フランキーはGODに会いたくて、ウチのチ-ムに来たんですよ』
そうトニ-が説明する。
何か、照れクサイな。
自分目当てで加入してくるなんて
そう思っていた時に
『オフ会でも何でGODさんは来ないんだ?って、毎回怒っていて』
『最近はオフ会にも来なくなりましたから』と、交流がある事をサラッと言ってきた。
『連絡先を知っているんだ?』
そうトニ-に聞くと
『知ってますよ』と答えてくる。
『もしもだけど俺が電話して頼んだら権太坂の新曲を書いてくれるかな?』と立花が
あくまで例え話のように言ってみたが
『無理じゃないっすかね?』
『佐山サトシって、他人に曲を提供しないって事で有名ですから』と
頼む前からシャットアウトのような事を言ってくる。
『さっきと違うじゃんか?』
俺が頼めばOKみたいな事を言ってたのは、お前だろう?
そんな気持ちで立花が言うと
『でもGODさんが会って、直接頼んだら分からないと思うけど』と
笑いながら言ってくる。
『あいつ、とにかくGODさんに会いたがっていたから』
そのトニ-の言葉に
『悪いんだけど、俺のLINEのIDをフランキーに伝えてくれないかな?』と頼んできたのだ。
『マジですか?』
『あんなに他の奴にIDを教えるな、って言ってたじゃないですか?』
そうトニ-が騒ぐのも無理はない。
トニ-にIDを教えた際に他の誰かに漏らしたら、チ-ムは解散すると言っておいた。
他人との関わり合いを持ちたくなかった立花は、エクシブハンターの中でも交流は最低限にしたかったからだ。
『確かに無理な話をするのに電話じゃ失礼だし、会って直接頼んでみたい』
そう言った立花の言葉に
『相当、女神ちゃんに入れ込んでますね?』と
からかわれたが否定もせずに
『とにかく頼むよ』と言って電話を切った。
どうなるか?は分からない。
だが絵色女神の為に、なんとかしてあげたい気持ちでの行動だったのだが
その話は予想以上に早く展開を迎えた。
トニ-との電話を切った後、2時間後に佐山サトシから電話が入ったのだ。
『はじめましてフランキーこと、佐山です』と、丁寧な電話に、
『こちらこそ、はじめまして』
『GODこと立花です』と本名を名乗ってしまったのだ。
連絡が来るまでの間にウィキペディアで佐山サトシの事も調べて、年上だという事を知っていたので敬語対応だ。
『本物のGODさんと話せる日が来るなんて思っていなかったから』
『スゲ-、緊張してます』と
低姿勢な佐山の態度に立花も恐縮してしまい
『本物だって証拠に、エクシブハンターの中で少し会話してみますか?』と提案すると
『マジっすか?』と驚きつつも
『一旦切って、すぐにログインします』と
佐山がすぐに行動に出た。
立花も、すぐにログインしてゲ-ム内にある、
チ-ムのログハウスに入りアバタ-同士で握手をして、お互いに本人確認をする。
そして、すぐに電話に戻して会話を復活させると
『急にトニ-さんから、GODさんが俺と連絡を取りたがっているって電話がきて』
『ウソだろ?って疑っちゃったんですけど』
『マジの話だったんですね?』と
興奮しながら話してきた。
『いや〜、俺もトニ-と電話で話をしていたら佐山さんの話が出て』
『オフ会の時に俺がいないって、怒っていて』
『俺に会いたがってくれてるって聞いて』
『ちょっとお願いしたい事もあって』
『一度会って話をしてみたかったんですよ』と
本題を隠して、事の流れを話してみる。
すると
『マジっすか?』
『いつにします?』と興奮して、立花に予定を聞いてきたのであった。
今日は土曜日、会社員の立花にとっては平日は避けたいのだが
相手は売れっ子バンドだから、スケジュールが厳しいだろうと思っていた時に
『俺ならツアーが終わって、しばらくオフですから、いつでも大丈夫ですよ』と、教えてくれた。
マジで?
『だったら明日の日曜日でも大丈夫ですか?』と立花が聞くと
『夜なら大丈夫です』と答えてきた。
だが芸能人を連れて行けるような、オシャレな店を立花は知らない。
ガストじゃ、ダメだよな?
そう思っていた時に
『だったら店は俺が押さえますんで』
『エリアとか、店の種類とかリクエストがあったら言って下さい』と
佐山が聞いてくる。
店を探さなくてよくなった立花は安心して
『お店はお任せで大丈夫です』と
佐山に一任したのであった。
『なら店が確定したら、連絡します』と言って電話は切れた。
ふ〜、
芸能人と話をして緊張した。
絵色女神も芸能人だが彼の中ではカウントはされていないようだ。
立花が安堵のため息をつくと、絵色女神からのLINEが入っていた事に気付く。
開けてみると
生まれて初めてyahooニュースに載った喜びや、雑誌の単独での表紙が決まった事
ゲ-ム雑誌の取材が決まった事が報告されていた。
最後にはスタンプで
『大好き』とある。
立花も猪木会長との話や佐山と会う予定になった事を書こうと迷ったが
ぬか喜びで終わった時の事を考えて
『水曜日に来た時にはエクシブハンターの特訓だから、覚悟をしとくように』と返信をした。
当然だが『おめでとう』のスタンプも、その後に付けてある。
そして翌日
コインランドリーでの一週間分の洗濯を終わらせた立花は
佐山から指定された店に向かう為に新宿に来ていた。
場所は新宿の高層ビルの最上階のレストラン
そこにSEGAソニックのTシャツにデニムという姿で現れたのだ。
場違いだよな?
店の入口で入店を迷っていると、店員が現れて
『何名様でしょうか?』と言いながら、立花の服装をジロジロと見ながら聞いてくる。
ドレスコードがあったら一発でアウトの服装だったが
『佐山で予約が入っていると思うのですが』と告げると、手のひらを返したように
『お待ちしておりました』と言って
店内へと案内を始める。
やがて、新宿の夜景が全て見える席に案内されると革のジャケットを着た男性が既に座って待っていた。
立花を見ると、すぐに席を立ち
『初めまして佐山です』と挨拶をして立花に一礼をする。
それを見て立花も慌てながら
『どうも、はじめまして立花です』と遅れて挨拶をし返す。
向かい合う形で、お互いに席に着くと
『GODさんに会える日が来るなんて、本当に夢のようです』と
佐山は嬉しそうに喋りだした。
『エクシブハンターを始めた時から、ず-っと憧れていたんですよ』と
戦隊ヒ-ロ-に会えた子供のように目を輝かせて熱く語る。
それを聞いて
『そんな対したモンじゃないから』と恐縮する立花だが
佐山の熱量は変わらず
『会ったら聞きたい事が沢山あったんだよな』と目を細めて嬉しそうな表情を浮かべている。
そこからエクシブハンターで2人の協力したプレ-した時の話やイベントでの失敗で話が盛り上がり
ワインの酔いも手伝って、2人は旧知の友人のように仲良くなっていった。
メインディッシュを食べ終えた頃
『そうだ、GODさんがエクシブハンターを始めたキッカケって何だったんですか?』と
佐山が、またファン目線で質問をしてくる。
かなり打ち解けていた事もあってGODではなく、立花として
彼女と別れて引きこもっていた時にエクシブハンターに出会った話を全てした。
すると話を聞いていた佐山がボロボロと大粒の涙を流している。
ビックリした立花が
『どうしたんですか?』と聞くと
ポツリポツリと自分の事を喋り始めた。
まだデビューする前の佐山はバンドが軌道に乗らず精神的に病んでいたそうだ。
部屋で引きこもっていた佐山が偶然ダウンロ-ドしたのがエクシブハンターだった。
最初は参加せずに視聴モ-ドで他人のプレーを眺めていたのだが
毎回、ものすごい勢いでで敵を倒してクリアをしていくプレーヤ-を知った。
それからは、そのプレーヤ-のゲ-ムを観戦していき、いつの日かは
一緒にプレーするのが夢のようになっていった。
この人のように自分も前向きに生きて行かなきゃダメだ。
やがて、引きこもり生活も脱却できてバンドもデビュー出来た。
『GODさんも立ち上がったんですね』
そんな憧れのGODが自分と同じ引きこもりだった事を知れて嬉しかったそうだ。
『同じ元引きこもり同士、これからも一緒に頑張って行こう?』
そう握手をした時に
佐山が突然思い出したように
『そう言えば、あの絵色女神ってのは何ですか?』と怒りだしたのだ。
あれ?
急に不機嫌になっちゃった?
これから権太坂の話をしようと思っていたのに
困っている立花に
『GODさんの弟子になるなんて図々しい』
『あの記事を読んで、嫉妬しましたよ』と
違う角度で、また熱く語りだす。
彼女の事も話しておかないとダメかな?
そう考えて猪木会長に話した時のように、絵色女神が苦労人である事をアピールしてみた。
すると
『そんなエライ子だったんですね?』
『見直しました』と言って、彼女の事を認めてはいるが、何処か引っかかっているようだ。
それを察した立花が
『まだ何か、引っかかっています?』と聞くと
『本当は昔から、俺がGODさんの弟子になりたかったんですよ』
『それなのに先を越されて、俺は弟子に成れていないし』
そうクチを尖らせている。
別に弟子制度を始めた訳じゃないが
『だったら佐山さんも、弟子になりますか?』
そう立花の言った言葉を聞いて
ガタっとイスを引いて立ち上がり
『マジっすか?』と
店内中の人が全員、こちらに注目するような大声で佐山が叫んだ。
小さな声で
『佐山サトシだ』
『本物かしら?』と言う声が聞こえてくる。
『佐山さん、座って』
立花に言われて、自分の暴挙に気付いた佐山が自分のイスに座る。
『今後も師匠と弟子として、色々とレクチャーしますから』と立花に言われた佐山は
『ヤッタ〜』と
小さなガッツポーズを、その場でした。
機嫌が良くなってくれたなら、今こそ権太坂の話をするチャンスか?
すると
『女神ちゃんのやってたビ-ナスって技を教えてくれませんか?』と笑顔で聞いてくる。
立花が言われるままレクチャーすると
『スゲ-、スゲ-』と興奮しながら技を出して喜んでいる。
一通り技を堪能した佐山がゲ-ムを閉じて
『エクシブハンターの課金して買える技やアイテムは全て買ってきました』
『でも、こんな裏技が買わなくても有るなんて、奥が深いですよね?』と、しみじみと語っていたので
『佐山さんにも新しい技、教えましょうか?』と
立花が言うと
『マジっすか?』
ガタっと、イスを引いて、その場で立ち上がっている。
『佐山さん』
立花の小さな声で、すぐに椅子に座った。
立花が新技をレクチャーし始めると
『スゲ-、スゲ-』と大興奮して
佐山は新技を習得したのだった。
本当にエクシブハンターが好きなんだろうな?
嬉しそうにプレーする佐山を見て、立花はそう思っている。
『GODさん、この技の名前は何って言うんですか?』
佐山に聞かれた立花は少し考えて
『まだ決めていなかったんだけど』
『フランキーなんて、どうでしょうか?』と、佐山に提案すると
『いいんですか?』と
目を輝かせて立花に確認をしてくる。
『マジで今日は人生で一番最高の日だ』
佐山サトシは興奮して大喜びをしていた。
お願いするなら今かな?
『実は佐山さんにお願いしたい事がありまして』と立花が切り出すと
『そうでしたよね』
『すいません、俺、自分の事ばっかり喋ってしまって』
『何でもするから言ってください』と
立花に熱く言ってきた。
『さっきから話が出てる絵色女神がいる権太坂36に曲を書いてくれないかな?』と
申し訳なさそうに言うと
『いいっすよ、書きます』と即答してくれたのだ。
あれ?
『佐山さんって他人に曲を提供しないって、噂を聞いたんですけど』と聞くと
『そうですね』
『楽曲提供もコラボも全部断ってきましたけど』
『GODさんに頼まれたら断れないないですよ』と
笑顔で説明してくれた。
ヤッタ-
今日も、かなりムリしたが頑張って良かった。
『事務所に楽曲依頼を出して下さい』
『俺から話をしておきますから』と
意味の分からない言葉を発したのだ。
『楽曲依頼?』
立花の不思議そうな顔を見て佐山が説明をしてくれた。
作曲家に曲を書いてもらうには、まずは所属事務所に楽曲依頼を出して作曲家の了承を得た後
音楽出版社や作曲家の取り分を決めて、依頼料が決まり正式に依頼が成立するそうだ。
友達だから
『ちょっと書いてよ』は通用しない。
場合によっては億単位の金が動く大人のビジネスの世界で素人の戯言は通用しない事が立花にも分かった。
立花がレコード会社はおろか、権太坂の事務所、絵色女神すら
今回の佐山サトシへの楽曲依頼の話を知らない事を伝えると
『スゲ-や、聞いた事ないや』と
大笑いした後
突然、真顔になり
『それだけ絵色女神のチカラになりたい、って事ですよね?』と言ってきた。
佐山サトシには隠せないな。
『そうなんです』
『何とか彼女にヒット曲をプレゼントしたいんです』
そう言って、その場で頭を下げた。
『わかりました』
『師匠の為に俺が何とかします』と
佐山が全面協力を申し出でてくれたのだ。
権太坂36は佐山のバンドが所属しているサニーミュージックと同じレコード会社だと言う事で
『レ-ベルは違いますけど、知り合いがいるんで俺が話を通しておきます』とまで言ってくれる。
『素人がトップミュ-ジシャンに失礼な、お願いをしてすいません』
立花が再び頭を下げると
『GODさんが俺に会ってくれるって話になった時から、おかしいなと思ってたんですよ』
『エクシブハンターの他のメンバーにはオフ会でも絶対に会わない』
『その鉄の掟を破るには何かあると思っていたけど、裏にアイドルが絡んでいるとは驚きましたけどね』と笑って受け入れてくれた。
『でも今日はGODさんに会えて本当に嬉しかったです』
佐山が差し出した手を立花が握り返して強く握手をする。
『師匠、これからもよろしく』
佐山が、そう言った言葉に
『こちらこそ、よろしくお願いします』と
立花が答えた。
その2人の光景を遠くから、見ていた女性がいる事を立花達は知らなかった。
宴もたけなわだがお開きとなり、高級レストランの費用は全て佐山が負担する事となった。
立花が半分出すと言ったが聞き入れず、次回飲みに行く時に立花が持つ事となり落ち着く。
店で佐山と別れた立花は1人となり、近くの公園でタバコを吸って、まどろんでいる。
絵色女神には、ご飯を友人と食べに行くと昨晩の電話の時に伝えておいた。
『女の子じゃないですよね?』と疑われたが
相手がエクシブハンターの仲間で男だと知ると
『いってらっしゃい』と気持ち良く出かける事に賛同してくれる。
おそらく食事に行く話をする前に、エクシブハンターのペアマッチの話をして
立花と彼女で『GOD andビ-ナス』で参加する事を誘われたからだろう。
絵色女神は大喜びで、優勝賞金で家を買うと
参加する前から、もう優勝した気でいる。
新宿で佐山と会った日曜日が、立花が静かに過ごせた最後の日だったかもしれない。




