最終ラウンド 1
ネットゲ-ムの
エクシブハンターの世界大会は
最終決戦地である日本を舞台にして
土曜日に日が変わった瞬間に
始まった。
総参加者数が4400万人と
ネットゲ-ムの参加者としては
記録的な人数だったが
日本に到着していた100組
200名は当初の予想が外れて
母国日本のプレ-ヤ-は
過半数以下だった。
海外展開もしている
ネットゲ-ムなので
多少は海外勢も活躍すると
思われていたが
3分の2が海外勢とは
誰が予測出来ただろう?
金にモノを言わせて
アイテムを買い漁り
決勝ラウンドに参加していた
アジア人の参加者は
SNS上で
『優勝したら2億円が入るから
安いもんだよ』と
豪語している。
そんな参加者とは別に
ある選手と絡みたくて
鬼のような課金をしていた
外国人も多くいた。
Venus
世界中に伝播した
女神ファンの連中である。
勝利者には女神のキスが
あると言う噂が
1人歩きしていたのが
要因でもある。
インスタグラムや旧ツイッターの
女神のペ-ジには
登録者数が更に
増え続けている。
色白でセミロングの黒髪
大きなパッチリ瞳に
少し高い鼻に小さなクチ
どの国でも美少女と
認識されており
世界大会が始まってから
日本で張り出されていた
女神が写っている
世界大会のポスターは
海外のサイトで
10万以上の値段で
取引されているらしい。
そんな熱狂的ファンは
女神を優勝させるために
他の敵を
蹴散らすと宣言しているが
そんな連中の実力は
それほど高くない。
わかり易く例えるため
野球で表現すると
最近、成長著しい
女神のレベルが
小学生が少年野球から
初めて、
今やっと、中学生レベルだ。
多くの女神ファンも
このレベルである。
金のチカラを使って
運良く勝てた連中だ。
今回は世界大会
高校野球で甲子園に出る
レベルのプレ-ヤ-が
ゴロゴロいる。
大学生野球のレベル
社会人野球のレベルがいて
その上に日本のプロ野球レベルの
プレ-ヤ-がおり
通常のエクシブハンターの
個人戦で戦っている選手が
メジャーリ-グ選手と
言った所だろう。
その中で立花の位置付けは
大谷翔平クラスと言えば
分かるだろう。
天上天下唯我独尊
唯一無二の存在
高校野球の選手が
大谷選手の165kh
ストレートを
バッターボックスで
打とうとしている
ようなものだ。
ただ、今回は
参戦自由のオ-プン大会
立花も知らない選手が
何人も掲載されており
正体不明の強者も
存在していた。
決勝ラウンドは
2人同時でのタイミングでの
参戦じゃないと
プレ-に参加出来ない
片方だけでは
ログイン出来ても
バトルには
出れなかった。
ペア対ペアで戦って
ペアの片方が負けた時点で
相手チ-ムの勝ちとなり
100ポイント獲得となる。
要は2人とも倒す必要はないので
ペアの弱い方を倒せば勝ちとなる。
途中戦って獲得していた
ポイントは勝ったチ-ムに
継承されていき
早期に2000ポイントを
獲得したチ-ムが
最後の4チ-ムとして
ファイナルエリアに
招待される。
日付が変わった途端に
中国人ペアが共闘して
アメリカ人ペアを
襲っていた。
時間制限以内なら
近くで共闘しても
大丈夫と言うルールの
盲点をついた攻撃だ。
2対4
多勢に無勢
中国連合にアメリカペアが
負けてしまう
見ていたギャラリーが
そう思った時に
中国人ペアに
強烈な風が吹きつけて
ワンペアは
飛ばされて行った。
すると
ギャラリーの書き込みに
『フランキーだ』と
誰かが書き込み
『佐山サトシだ』
『そのまま中国チ-ムを
やっつけろ』の
過激な書き込みが並ぶが
フランキー&キングチ-ムは
アメリカ人ペアを
加勢する事もなく
他のエリアに向かって行く。
ギャラリーは
『卑怯な戦法を使う
ペアを吹き飛ばして』
『去って行くなんて、
ヒ-ローみたいだな』
そんな感嘆する言葉が
並んでいたが
実際は違っていた。
彼らは、あるペアを探して
画面内を移動していた
だけだった。
すぐに、そのチ-ムは見つかった。
ゲ-ム内のサブスクリーンで
ギャラリーが集まっている場所には
ピンが、たくさん立つが
一カ所だけ集中している場所がある。
おそらくギャラリーの半分以上は
このペアを目当てで
来ているだろう。
世界的人気になったビ-ナスと
1人で5人分戦うGOD立花であった。
深夜24時
明日も昼12時から
エクシブハンターの
生放送特番の仕事が
入っている女神は
今日は自宅に帰り
24時丁度にログインする事を
前もって立花と
打ち合わせしていたのだ。
『女神、裏に回れ』
『左からも敵が来たぞ』
立花がアップルウォッチで
通話状態のまま
ゲ-ム画面を見ながら
女神に指示を出す。
ペア戦で共闘するなら
隣に並んで2人で一緒に
プレ-するのが
理想だが
立花達のように
離れて戦う場合は
今回のような戦い方も
有効だろう。
『また、誰か来たイヤだ』
その女神の声に反応した立花が
今まで自分が戦っていた敵から離れて
女神の救出に向かう。
ペアの弱い方を倒す
戦いのセオリーであり
別に卑怯ではない。
だが世界で観戦していた
ギャラリーは
女神のピンチに
ゲ-ム画面前で
悲鳴を上げている。
課金して女神を守ると
宣言していた
ファン達は
開始早々に負けている。
女神のピンチに
立花が現れて
女神を攻撃しようとしていた
敵に刀で切りつけると
画面に白い閃光が走って
敵が吹き飛んでいった。
『シャイニングウィザードだ』
ギャラリーの誰かが
そう書き込みをした。
3人以上の敵に同時に
攻撃された時が
発動条件となり
持っている刀が
魔法刀の時に使える技だ。
立花はあえて
強い攻撃をせずに
相手を引きつけていたのだ。
『立花さん、スゴっ』
女神が素になって
驚いている。
ギャラリーも画面を見て
歓声を上げている。
まさに武神
そんなGOD &ビ-ナスに
立ち向かっていかなければ
良いのだが
無敵のGODに勝って
一旗上げたい連中などが
歯向かって行き
秒殺で倒されていた。
プレ-する前に
立花は6人までなら
同時に攻撃されても
女神を守れると言っていたが
どうやら本当のようだ。
だが、そんな立花が
『厄介な、お客さんが来たぞ』と
女神に話す
『え?お客さん?』
そう言われて
女神が画面の右側を見ると
キング&フランキーの文字が
画面に表示されていた。




