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新入社員

バイトが辞めた場合

店はてんてこ舞いになるが

正社員で主力級の

立花が辞めるとなると


会社としては

大損害となる。


『辞めて、何処に行く?』

『給料が良いのか?』

『待遇面で好条件か?』


藤波係長の質問は

マシンガンのように

続いて


『あの時に辞めないって

言ったじゃないか』と

ポツリと呟いた。


確かに以前

国家資格を持っていると

バレた時に


藤波係長に

確認されていた。


『あの時から色々と

状況が変わって』

『知り合いの会社を

手伝う事になったんですよ』と

立花が説明したが

藤波係長は引き下がらない。


蝶野と同じく

立花に好意を寄せている

藤波係長も


彼女になれない上に

立花に会えなくなる状況を

受け入れる事が

出来ないのであった。


『考え直してみないか?』

立花に、そう係長が聞くが


『ありがとうございます』

『ですけど決めた事なんです』

そう言って不退転の

覚悟である事を

伝える。


お互いに引かずに

平行線なので

『これは預かっておくよ』

藤波係長がそう言って

辞表を一時預かり

2人は応接室を出た。


やっぱり、スッキリと

辞めさせてくれないな

立花が、そう思っていると


涙目の蝶野が

立花と目が合ったが

何も言わずに

自分の席に戻っていく。


完璧に嫌われたな

まぁ、しょうがないよな


そんな事を考えて

今日の仕事の準備をしながら

朝礼が始まるのを待っていると


『今日の朝礼は中止に

なったらしいぞ』と

誰かが大声で叫んでいる。


『係長、課長、部長が

緊急会議だってよ』と

理由が立花にも

聞こえてきた。


大騒ぎになってないか?


立花が冷や汗をかいているが


立花は自分の退職を、

甘く考えていた。


藤波係長が少し慰留して

棚橋が騒ぐ位だと

予想を立ていたが


実際は、支店の管理職が

総出で、退職を

思い留まるように

お願いする事態と

なっている。


担当者は知らないが

会社側は取引先に

アンケートと称して

担当の採点を依頼していた。


この先も、御社に

現在の担当者が

お伺いする事には

賛成でしょうか?


そんなアンケートを

取引先にお願いした

結果が会社には集まっており


その中で立花は

ダントツに評判が

高かったのだ。


トラブル処理でヘルプの為に

行った企業からは

担当を立花に

変えて欲しいと言う


本来の担当が知ったら

ショックを受けそうな

回答まで寄せられており


会社側でも次の半期で

立花に担当を増やして貰い

顧客満足度を

上げて行こうと

考えていた矢先の

立花の退職宣言に


管理職が頭を抱えている状況である。


始業時間になった途端に

藤波係長が立花を呼びに来て

支店長室に連行されて行く。


その状況を見ていた

職場の連中は

色々と噂を始め


棚橋に本当の事を確認するが

棚橋も知らされておらず


いつしか立花は

転職するのでは?と言う

噂が広がり


『立花、会社辞めるってよ』と

まるで部活を辞める感じで

フロア中に知れ渡っていった。


一方、立花は

支店長、部長、課長

藤波係長が並ぶ中


取引先を増やそうと

していた話を聞かされ

『退職を思い留まって欲しい』と

全員に懇願されるが


『会社がイヤであるとか

不満があるから

辞めるのではなく』


『他にヤリたい事が

出来たので

転職するんです』と

立花の気持ちを伝える。


それを聞いた管理職連中は

黙ってしまい

最後は支店長が

『今日は金曜日です』

『土曜日、日曜日に再度

考え直して貰って』


『月曜日に改めて

立花君の意思を

知らせてください』と言われ

立花は開放された。


フロアに戻った立花を

みんなが取り囲み

『何を話していたんだ?』と

質問攻めにあう。


つい3ケ月前までには

考えられなかった光景であった。


自分の事しかしない立花を

機械やロボットと

言っていた連中が


彼の事を心配して

集まっているのだ。


『別に大した事じゃないよ』

『ノ-コメント』と言って


真相を話さない立花に

根負けした連中は

自分の席に戻って行ったが


ただ1人、立花の前から

立ち去らない人間がいる。


棚橋だった。


それに気付いた立花は

軽く頷き

彼を社員食堂へと促す。


『お前には正直に

話さないとダメだな』

立花がそう言って

辞表を提出して来た事を

説明した。


『辞めて、次はどうする?』

棚橋に聞かれた立花は

少し考えた後に


『辞める話も、次の会社も

内緒にしといてくれよ?』と

前置きしながら


『ネットゲ-ムの

オリファルコンに転職する』と

話すと


『今、テレビのCMで

毎日流れている会社だよな?』と

言って驚きながらも


『よく、あんな大きな会社に

入社出来たな?』と言って

喜んでくれている。


そのリアクションに

ビックリした立花が

『お前は退職を

止めないんだな?』と

笑いながら言うと


『もう決まった事だろ?』

『それに、お前は

頑固だから人の意見を

聞かないじゃないか』と

笑っている。


棚橋は俺の事を

分かってくれている。


『今日は無理だけど

落ち着いたら2人で

飲みに行こう?』

立花が、そう声を掛けて

2人はフロアに戻った。


その後も色々な人が

立花に話し掛けてきたが

上手くかわし


定時退社した立花は

オリファルコン社に向かう。


高層ビルにある

オリファルコン社があるフロアに着き

受付の横を通り過ぎようとすると

『申し訳ありません』

『ご予約はございますか?』と

受付嬢が立花を呼び止めた。


あれ?

いつもは顔パスだろ?


立花が不思議に思いながらも

『会長と約束がありまして』と

伝えると


2人いる受付嬢が

互いの顔を見合わせて


『申し訳ありません

そのようなアポは

入っておりません』と

言って

門前払いしようとしている。


え?

俺、部外者扱いに

なってしまったの?


会社に辞めるって

言っちゃったよ。


『ちょっと、坂口さんを

呼んでもらえます?』

『GODが会いに来たって

言って貰えば分かると思うから』

焦った立花は

自分からGODの名前を出して

受付嬢に取り繋いで

貰おうと、すると


『あ!』と

右側の受付嬢が

『副社長ですか?』と

半信半疑で立花に

聞いてきたので


『そうです』と

立花も答えると


左側の受付嬢も

『本当だ』と

やっと立花を認識して


『申し訳ありません

少し、お待ちください』と言って

秘書さんに内線電話で

連絡を入れてくれた。


右側の受付嬢が

『背広姿の副社長を

見た事が無かったので』

『失礼な対応になり

申し訳ありませんでした』と

謝ってきたので


立花も

『そうですよね』

『いつもは私服ですからね』と

言うと


受付嬢2人は

『ハハハ』と

愛想笑いをして

誤魔化した。


受付嬢2人は

SEGAソニックのTシャツに

デニムの立花しか

見た事がなかったので


SEGAソニックで

立花を覚えていたのだ。


『会長室に直接

お越し下さい、との事です』と

受付嬢が説明をしてくれ


立花は礼を言って

オフィスの奥へと

入って

会長室へと向かう。


会長室に着き

軽くノックをすると

『どうぞ』と

中から声がして

中に入ると


美人秘書さんが

会長室の外に出て

行こうとして


立花と、スレ違う時に

『会長、今日は一日中

ご機嫌でしたよ』と言って

ウィンクをしながら

出て行った。


『どうぞ、おかけください』

応接セットに

立花に座るように促して

自分も座った猪木会長が


『突然、入社してくれる気になったのは

どうしてですか?』と

立花に質問をしてくる。


すると立花は

『エクシブハンターが

ここまで大きくなって』


『片手間で手伝う事に

限界を感じてきました』と

入社理由を説明し

始めたのであった。




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