◆ 登場人物紹介 【12人のはぐれ者・前編】 ◆
ルクト・ゼリアス(19)
アルメニク王国北部に位置している農村・ナコリ村出身の剣士。
母方の祖父が魔人であり、血統上は「人魔」とされている存在。ただし
見た目も内面も完全に人間であり、もちろん人間との間に子も成せる。
勇者メリフィスのパーティーに所属し、魔王討伐を目指していた。
実力的にはメリフィスには及ばないものの、並の魔人ならば瞬殺できる
凄腕。剣技とスピード両面に秀で、また型にはまらない自由な戦い方を
得意とする。武器は長剣と、両手の篭手に仕込んでいる鎖鞭。
正義感が強い反面、相手が何者かはそれほど強くこだわらない主義で、
困っていれば敵も助けるお人よし。ただし戦闘時には殺人も辞さない。
ガンダルク(178)
魔人国アステアの先代魔王にして、最強と謳われた魔人。元から女性。
かつて内外で暴虐の限りを尽くした魔王ザンツを単独で討ち果たし、
それがきっかけで魔王を襲名した。しかしその後の処理を怠った結果、
ますます国も世界も混乱。ザンツの悪名をほぼ全て己が被る形になり、
落とし前をつけるために当代最強の勇者グレインのパーティーと対決。
壮絶な死闘の末に敗れ去り、直後に人間の体に転生した。
生来の自由人であり、地位や権力に魔王時代からほとんど興味がない。
グレインと戦う前、己の死後は魔王を廃位にせよという最後の勅令を
出し、結果的にその後百年の平穏を築いた。
まったく老化も成長もしない肉体をおよそ百年に渡り使い続けた結果、
常識を超えるバランス感覚と見切りの感覚を習得している。
放浪の末に気楽さに磨きがかかり、多少の事には動じなくなっている。
アミリアス・ログニー(845)
ガンダルクを筆頭に、かつての魔王の何人かを選んで仕えた古の魔人。
大地と融合しているため、きわめて長命な体質であり、根を張る事で
広範囲を感知できる魔術の使い手。他にも自ら数多くの魔術を創造し、
永いアステアの歴史の中でも5本の指に入る知恵者だった。
ガンダルクを人間の体に転生させる助力をした張本人であり、自らも
メリフィスに討たれて二番刀の中に転生。以後はルクトたちと行動を
共にする事になる。
年齢の割に気持ちが若く、好奇心もまだまだ旺盛。二番刀を介する事で
様々な魔術を行使し、また手にした魔人や人魔に力を与える事も可能。
存命中はラマセス王国の洞窟の中にひっそりと住み、人間に直接危害を
加える事は最期までなかった。
サルバドル・トッピナー(33)
ジリヌス王国の街・ウズロの冒険者ギルドで受付をしていた長身女性。
非常に有能かつ美人だったものの、その性格のせいで完全に婚期を逃し
職場でも腫れ物扱いをされていた。ただし見た目は完全に20台前半。
職業柄、相手の力量などを見る目に長けており、遠慮なく口にするため
冒険者に敬遠される事も多かった。そういう面も、縁がなかった理由。
その正体はレメントと呼称される、人間の姿で生まれた魔人の変異体。
両親は人間とは異なる容姿であり、もちろん似ても似つかない。しかし
別に仲が悪いわけでもなく、普通に里帰りなどもしていた。ちなみに、
兄弟姉妹の中にもレメントは一人もいないらしい。
外見が若いのは魔人の特性であり、身体能力も人間の平均を軽く凌駕。
格闘戦を得意としており、刃物より鈍器系の武器の方が向いている。
無類の酒好きであり、しかも酔えば自己修復能力が桁違いに向上する。
昔からメリフィスを嫌っている。
ロクラス・プローノ(51)
ジリヌス北部に位置する街・ヘゼン出身の軍人。叩き上げの兵士であり
ガルデン大要塞の指揮を長年に渡り任されていた傑物。「光の加護」に
覚醒したものの、冒険者にはならず兵士として国防を担う道を選んだ。
若い頃に勇者グレインの再来などと言われた事もあったものの、実際は
遠く及ばない事実を自覚しており、そんな評価には抵抗があった。
30年前にガルデンでガンダルクに守護者を倒す事を頼まれており、
彼女には浅くない因縁がある。
全盛期ほどではないものの、いまだ剣の腕は並の魔人を凌駕している。
頑固なようで意外と柔軟性に富んだ性格の持ち主。結婚の経験はない。
ガルデンが陥落した際、兵士たちに未来を託された事で、将軍としての
己を捨てる事を決意。誰かのために剣を振るう生き方を再び追い求め、
己を慕う兵士たちと共に亡命した。
ラジュール・カミュ(29)
ガルデン大要塞で兵士調練の監督を任されていた、剣の達人。
実戦経験を持たない兵の割合が多いガルデンにおいては非常に珍しい、
魔人や魔獣と戦った経験をそこそこ持っている叩き上げの兵士である。
剣の腕はルクトに及ばないものの、型にはまらない結果重視の戦い方は
彼に通じるものがあり、ルクト自身の事も大いに認めている。
将校になれない兵士にしては家柄が割と良く、教養もかなり高い。
ただし、家からほぼ勘当されている身であり、むしろ己の出自に関して
話題にするのを嫌がる傾向がある。
ガルデン赴任前の兵士時代、部隊がほとんど全滅した事が2度もある。
しかも、2度ともほぼ無傷で生還。己の悪運の強さに少し慄いていた。
プローノ以外ではガルデンの唯一の生き残りであり、結果としてまたも
無傷の生還経験を増やしている。




