●キャラクター解説 魔将パステナス●
※ネタバレを含みます。
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百年前のアステアで、魔王ザンツに仕えていたレメントの魔将。
およそ魔将の肩書きに相応しくない温和な魔人であり、その人柄により
ガンダルクとも親しかった男です。そして実はルクトの祖父です。
「魔王ガンダルク」は伝承のような凶悪な存在ではない…という事実は
物語開始時からルクトにとって常識でした。その事実を伝えていたのが
祖父という設定も、初期プロットの時点で確定していました。作中でも
きわめて初期(アミリアスの洞窟を出た直後)に口にしています。が、
さすがにこの時点ではさほど細かい設定は詰めていませんでした。
以降ずっと棚晒し状態になっていた祖父設定に、ザンツとの戦いの中で
やっと言及。もちろん、ガンダルクは彼がルクトの祖父だとはまったく
気付いていませんでしたが、ここで彼の存在を匂わせたのはいい伏線に
なったと思います。かつての盟友が祖父という割とシンプルな関係が、
ガンダルクの生きている長い時間の裏付けにもなったかな、と。
設定そのものはシンプルでしたが、彼がどんな余生を送ったのかという
点はかなり考えました。アルメダの母もそうですが、百年という年月は
想像以上に長いので、いかにそれを越えたかというのがポイントです。
結果的にパステナスは、想像以上に長い「居候」になったという次第。
己を命を助けた夫婦の娘ではなく、孫と結婚するという特殊な人生…。
これもまた魔人の特異性です(?)
ザンツの不興を買ってバルセイユに殺されそうになったという顛末は、
図らずもバルセイユというキャラの補完になりました。結果的に見れば
彼はガンダルクとルクトの両方から2度も仇討ちをされているわけで。
やはり「生き返る」って特殊です。
晩年にグレインを訪ねてガンダルクの真実を伝えた事で、新たな魔王の
誕生のきっかけになった彼。かつてガンダルクが魔王になるきっかけに
なった事も考えれば、屈指の罪深きキャラだとも言えます。その一方、
ザンツ亡き後、ガンダルク亡き後の世界を変えるきっかけになったのも
また事実。成した事の影響があまりにも遠大だったため、良い悪いでは
割り切れない存在だとも言えます。
結局、生きている姿を描写する事のなかったキャラではありましたが、
遺した爪痕の深さはトップクラス。作品世界の中にある百余年の因縁を
繋ぐ、独特の存在意義を持った人物になりました。




