●キャラクター解説 ヨルネ・ゼリアス●
※ネタバレを含みます。
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アルメニク王国北部のナコリ村にて農業を営んでいる、ルクトの母親。
主人公の両親が健在というのは当初からの設定であり、この母ヨルネも
きわめて初期のプロット時点で名前が決まっていました。が、さすがに
細部の設定は今読み返すとほとんど跡形もありません。百姓というのは
変わりませんが、父親が魔人の剣士だったとかその父親が内戦で戦死を
遂げたとか、幼馴染だった復員兵の夫が村暮らしに耐えられず他に女を
作って蒸発したとか、割とハードな人生を送る予定だったみたいです。
やはり最も大きな違いは、亡き父がガンダルクの盟友だったという点。
ここに存在意義をかなり集約させ、他要素をすっきりさせた感じです。
結果的にはこの改変で良かった、と思っています。
設定がシンプルになった分、キャラをかなり際立たせました。ルクトの
実母であり、彼より血の濃い人魔。けっこう豪快な性格の持ち主ながら
さすがにガンダルクと息子の関係を知った時にはそこそこうろたえる。
割と規格外でありつつ、子を愛する等身大の母親像も大切にしました。
牧歌的な暮らしをしているものの、牙を剥き出す相手には更に鋭い牙を
突き立てる。相手が外相であろうと迷わず殺す。このあたりの設定は、
14年公開の映画「イコライザー」の主人公・ロバート・マッコールの
オマージュです。普段は温厚だけど本気を出したら怖い。必殺仕事人の
フォーマットにも相通じるかも?
よく似た同士であるヨークと語らう場面は、アステア編の前置きとして
楽しく書けました。閑話休題という意味合いがかなり強かったものの、
後に世界の命運を魔王グレインから託されるヨークにとっては、大きな
指針のひとつになったと思います。
登場も遅いし出番も少なかったとは言え、しっかりと物語に爪跡を残す
キャラに出来たなと思う次第です。きっとガンダルクにとって理想的な
姑になったんじゃないかな、と。




