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追放剣士とお気楽魔王~自由な奴らが世界を変える~  作者: 幸・彦
番外編 キャラクター解説など
631/703

●アクションシーン解説 7●

●ザンツ対ルクト&メリフィス●


あちこち飛び回っていたルクトと、ずっとガルデンにいたメリフィス。

実に200話以上に渡って再会する機会が来なかったこの2人ですが、

それだけにもう些細なわだかまりに拘泥したりはしません。と言うか、

それどころではないという状況。


個人的な感覚ですが、筆者はドラマでもアニメでもヒーローものでも

「味方同士の足の引っ張り合い」という構図がとことん大嫌いです。

どうせ危機を描くなら、協力しても倒せない難敵を描く方が好みです。


というわけで、この時点の2人にはザンツを倒せる「決め手」がない。

だから勝ちなど求めず、ひたすらに時間稼ぎに徹する。そういう意味で

やはり彼らはきわめて現実的です。ザンツ本人ではなく付き従っている

血まみれ(ロブエン)を狙うという狡猾さも、幾度となく強敵を相手に

してきた彼らならではの、臨機応変な判断と言えます。一方、ザンツが

ロブエンを2人の攻撃から庇うのも現実的な判断です。破壊や殺戮こそ

本分であると言えど、ザンツ自身は別に理性を持たないわけではない。

現世に戻って来たこの状況を正確に把握するためには、明らかに復活に

関与していると思われる人間の命は守る。そういった分別をきっちりと

持ち合わせている存在だと強調するため、一見足手まといなロブエンを

しつこく付きまとわせました。


勝利を望んだわけでもないし、武勲を求めたわけでもない。もちろん、

脱出手段もちゃんと用意していた。にもかかわらず、ルクトはザンツに

惨敗し、半殺しにされた。彼がなぜそこまで身を投げ出したのかという

点が、今後のガンダルクとの関係に大きく影響する展開になりました。

ガンダルクの運命が変化したという点も含め、やはりこのゲンヌイ村は

大きなターニングポイントでした。



●交易都市サンデの謀略●


しばらく大きな戦いを描写する機会がなかった後、マレ島へ渡るために

ルクトたちが訪れたこの交易都市。実際ここでも「戦闘」と呼べるほど

厄介なイザコザなどは起こりませんでしたが、女王シャンテムの管理が

あまり行き届いていない無法地帯の描写は、それなりに徹底しました。

22年公開の映画「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」前半で

描写されていた、マルタ島の闇市場がこのサンデのオマージュ元です。

色々な人間の利権が絡み合い、醜い騙し合いが横行する。そんな展開を

取り入れてみました。…単に当時、映画館に観に行っていたというのも

大きな理由ですが。


大規模な戦闘を行うと、それだけで立場がかなり不利になってしまう。

そんな環境下で威力を発揮するのはやはりアルメダ。標的設定の能力で

総代や荒くれ者たちを脅す場面は、自分でもお気に入りです。


その一方、無駄な戦いを避けるため荒くれ者たちに頭を下げるルクトも

大きなポイントです。アミリアスを救う事こそが最優先。そのために、

必要ならいくらでも頭くらい下げてみせる。思い詰めているのは当然と

しても、本来ルクトはそういう点で意地を張らない度量の持ち主です。

メリフィスも認めているその人柄を描けたという点でも、ここの一連は

大いに書き甲斐がありました。

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