●アクションシーン解説 5●
●死闘・魔鎧屍兵●
宰相ウルムス&ドナ・ブレスコニエとの最終決戦シークエンス。
魔鎧兵の中の人間を殺す事によって完成する…という魔鎧屍兵の設定は
「ジョジョの奇妙な冒険」第五部に登場した不死身の自動攻撃スタンド
ノトーリアス・B・I・Gの能力のオマージュですが、描写そのものは
元ネタであるゴールデンアーミーを意識しています。何度破壊されても
復活する敵との消耗戦は、決定的な打開策がなければ限りなく絶望的。
ルクトでもアミリアスでも、これを倒せるほど万能ではない。こういう
「ガチのピンチ」を描くのは非常に手応えがありました。
かなりチートに見えがちなアルメダの光の矢ですが、少なくとも今回の
ピンチを切り抜けるためだけに覚醒した、ご都合能力にはしたくない。
そういう意味で色々と制限を設け、かつ多彩な局面で応用していく様を
多く描写するように心がけました。魔鎧屍兵にとってほぼ完璧な天敵に
なった一方、魔核の補充という対策を取られたらキリが無くなるという
展開も、その一端だった感じです。
●ジグソール奪還戦●
事実上、ガルデン戦士団にとっての初陣となった戦いです。
身体強化魔術による底上げを行った戦士団は、ある種の狂戦士集団的な
イメージで描いていました。実力が飛躍的に上がり、かつ目的が明確に
なった人間はどんな風に変わるか。そのあたりを色々と想像した結果、
何となく機械じみた侵攻になった…という感じです。
今となっては、「ガルデン戦士団」のイメージはやはり第八章以降の、
魔力的な底上げを失ってからの方が明確になっている気がします。
隠蔽術を使って接近して倒すという戦法は、「プレデター」の透明化の
オマージュになっています。
●グレモローサ対メリフィス●
ガルデン奪還の際の戦いは一方的な蹂躙だったので、事実上これが初の
メリフィスのガチ戦闘になります。
あらすじ中でも明言している通り、本作にはざまぁ要素がありません。
また追放された後のルクトが非常に忙しかったため、メリフィスたちと
再会する間がなかった。と言うよりそれどころではなかった。なので、
必然的にメリフィスの本格登場は、ここまでずれ込む事になりました。
バルセイユ登場に際に勢いで出した「六選将」なる設定を、確立させた
功労者。それがグレモローサです。唯一の存命メンバーだという設定も
相まって、メリフィスと互角に戦う「強い敵」として描写できました。
この戦いの元ネタは、92年の映画「スウォーズマン 女神伝説の章」
になります。原作・金庸の武侠小説「笑傲江湖」を荒唐無稽に脚色した
作品でしたが、個人的に好きなのは日本から来た設定の忍者・服部。
グレモローサの遠距離攻撃に対するメリフィスの戦い方は、ほとんどが
彼へのオマージュです。殺害された部下の剣を踏んで跳ね上げる場面は
原作小説と同じアクションですが、それを自分の剣で弾いて飛ばすのは
服部の「旋風斬」そのものだったりします。
余談ですがこの服部、外国の映画に登場する「なんちゃって日本人」
であり、とにかくキャラが面白い。洋画にはしばしば聞くに堪えない
メチャクチャな日本語を話すキャラが登場しますが、彼のはちゃんと
聞き取れるカッコいいなんちゃって日本語です。そして戦いの際には、
いちいち技名を「旋風斬りだ!!」と「だ!!」を付けて叫びます。
この「だ!!」が実に味わい深い。よければ原語版で見てみて下さい。
原題は「笑傲江湖2 東方不敗」。




