幕間 朝日ひまわりのネバーランド
やあやあみなみなさんきゅーこんにちわんだほー!
朝日ひまわりだよ!!!!!
今まで星辰病をご覧頂き、まことにありがとうございました。よかったねーハッピーエンド!ここからまことくんの快進撃で世界は滅亡を回避するんだろうーーー
え?君はどこへ行ったのかって?いやあ知る必要はないんだよ。だって君の見ている世界は吟美真言氏の物語で、御堂玖々莉の死はなんら関与しないんだから。薄情だって思う?でもでもごめんねー、死後の世界からの働きかけではどうしようもないんだ。
ダイロクの章でついに星辰病のシステムが明らかになっても、まだ胸のつかえがあるってのぁー重々承知でござい!その違和感の正体、心の扉が錆び付いたままじゃ堅苦しいよねー、我がダーリン新海改君は骸骨になって喋れないからしゃーない私が代わりにその扉に油ギッシュを吹きかけてしんぜよう!いやー私ってばオーバーカインドなんだからーっ!
とまあ真実の徹底究明が気になるのは重々合点承知の助三郎なんだけど。先に個人的な身内話を聞いて欲しいのです。え?どうでもいい?早く教えろ?うるさい聞け。
知っての通り、2061年に星辰病は跋扈し始めて、2067年から本格的な戦争がビギニング。高校生だった私達も駆り出されて突然ハプニング。当たり前だった日常に縋りたくてもどこを見渡してもあるのは辛い現実だけ。銃を握って刀を携えて、何十人も撃って斬って、命の消える瞬間がなんとなくわかるようになって、これは死んだなって思ったら振り向きもせず次の敵を探す。楽にしてあげようかなんて思う暇もなかったよ。向精神薬をがぶがぶ飲んで最後の一人になるまで頭に無駄なことを考えさせない。
玖々莉が遠くにいてくれて、よかった。彼女に会える日だけがかつての自分でいられて、お腹の底から歌を歌えた時間だったからさ。
安全圏にいた玖々莉を愛おしく思いはすれ、厭しく思ったことは無いし、いと惜しきかな我が唯一の親友。最後の最後まで彼女の面影がチラついていたよ。防衛省も軍部も死んだ消えたの一点張りでちょ〜〜〜ふんがー憤慨噴火必至!惚れた腫れたも禁止なんていつの時代だよパピルス時代に帰れっての。
だから玖々莉には悪かったなって思ってる。本当に……
国が堕落し、背広の官僚は戦争によって題目を解決しようとして無理で、年老いた人達は天賦の才を持ち得ていても次々と枯れ木になっていって、星辰時代は始まりの合図を待たずして終わりを迎えていたんじゃないかな。
きっと日本にとってインフェクションは好機だったんだよ。私達にとっては地獄の使いでしかなかったウイルスを止めるために、日本中から天才のさらに天才を求め走り回ったんだから。年齢も経歴も関係ない、次世代の希望の星となる人々を『天下無限大』の称号で称えた。それは大っぴらはならなかったけれど、戦争の道具として使われるようになったのは確かで、……私の愛しい愛しい御堂玖々莉ちゃんも、『天下無限大の暗殺者』なんてド酷くドダサいあだ名付けられて、溶岩流が穴という穴から吹き出てしまいそう!
天下無限大のなんちゃらが生まれても結局病気は治らず、国家は崩壊寸前。死んで久しいけど見てられないねこりゃ。
だから一つヒントをあげるね。
あくまで語られるのは幕間の夢物語。既に星彩を剥奪された話の外の存在の言葉だから気にとめなくてイーヨ!じゃーないとシャレにシャレちゃった私の大爆笑トークで抱腹絶倒待ったナシ!天然の笑いダケ!
私が星辰病をばらまいたんだ。
にっひひー驚いた?まあ幕間幕間。そこまで気にするほどの失意でもなくない?なくなくなくなくなくない??
そうだよ。『私が』ってったって、実際今話してる私が『どっち』かなんて読みにくくて解せない書き方をした『サクシャ』にしかわかんないんだし、文句のひとつやふたつやみっつや無量大数ぶつけてやって下さいよ。
こーんなわかりにくい世界に一人残してしまって、本当に玖々莉には悪かったなって思ってる。思っ、て……………………
は…………
にゃははははははははははははははは!!!!!
そうだよ!そう!悪かったな!!!
『天下無限大の災厄』に、「 」して!!!!!
本当に……本当に……………………
ごめんね……玖々莉。
賞味期限切れの言葉はもう届かないけど、いつでも見ているから。見ているからーーー
あっ三途の川見えた。じゃね。ばっばーい。