FILE26:決意と懇願(2)
らぶらぶさせたかったorz
「俺達…こんな関係終わりにしよう」
「え…………」
もう、桃華にこんな思いはさせたくない。
「こんな中途半端な関係終わりにしよう」
「えっ、あっ、ちゃんと、つ、付き合おうって、こと……だよね?」
桃華は今にも泣きそうな不安気な顔で聞いてきた。
「俺よりいい男なんていくらでもいる」
「嘘だよねっ!?いくらナギでもその冗談はひどいよ」
「嘘じゃない!俺はいつ死ぬかさえ分からないんだ!そんな奴よりもっとまともに働いてる奴探せよ」
桃華はショックでその場に座り込んだ。
俺は顔を背けて別れを告げると玄関へ向かった。
ちょうど靴をはいたとき、後ろから桃華がしがみついてきた。
「やだよ!ナギ行かないで!お願い、何でもするから!桃、毎日ご飯作ってあげるし、夜もがんばるから!何でもしていいから側にいて!」
桃華の願いよりも悲痛な叫びに近かったそれを無視し、小さくゴメンと呟いた。
桃華を振り解き、逃げるようにその場を去る。
ごめん、幸せになれよ、ただひたすらにそれだけを願い続け走った。
体の痛みも今は気にならない。
周りなんて見えてなかった。
何度も、何度も人にぶつかりながら走った。
ただ走っただけだ。