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「なあなあ!聞いてくれよ英司!」


「あぁ?なんでお前はそう朝から元気なんだよ」


「逆になんで朝なのにテンション低いんだよ」


「いや俺がおかしいみたいに言うなよ、全人類の9割は朝元気じゃねぇから」


「うーん、そういうもんなのか?」


「そういうもんだ」


「なんか根拠に基づいたデータとかあんのかよ」


「お前超面倒くさいやつみたいになってるぞ

いずれメンタリストにでもなりそうな言い分だな

そういうセリフ聞くと余計元気無くなるわ」


「いやいやそこまで言わなくてもいいだろ

冗談だって冗談

むしろ俺はお前と話して元気倍増したけどな」


「は?お前あれか?

なんか吸血鬼みたいに他人の元気をドレインできるのか?」


「そんな能力は生憎持ち合わせてねぇよ

てか多分吸血鬼は朝弱いだろ」


「それは確かに

根拠に基づいたデータがなくても確信できるわ」


「だろ?

ってかこんな話どうでもいいんだよ」


「ああ、そういえばなんか話したいことがあったんだっけ か?」


「そうなんだよ

マジで貴重な体験させて頂きましたって感じなんだって」


「貴重な体験?」


「そうそう、まあ、体験したのは夢の中なんだけどな」


「ほう、どんな夢を見たんだ?」


「めっちゃ簡単に言うと、大金持ちになる夢」


「楽しそうじゃん」


「でしょ?

大金持ちの気持ちになれる夢ってそうそうないからさ、すげえいい体験だったんだよ」


「へぇ、そりゃ最高の夢だったんだろうな」


「まあ、最高の夢だったんだけどよ

いいことばっかりじゃないって言うか」


「というと?」


「最初の方はお金が沢山あるからさ、やりたかったこととかめっちゃするじゃん

例えば豪邸建ててみたり、名画をオークションで落としてみたり、自家用ジェット機買ってみたり、小便なのに大で流してみたりよ」


「おいちょっと待て

なんでそこで小ボケ入れたんだよ」


「え?」


「いや、え?じゃねぇよ

なんだよ『小便なのに大で流してみたり』って

なんでボケたんだよ」


「いやずっとありきたりな話聞いててもつまんないかなって」


「全然ありきたりじゃねぇよ、すげえ貴重な体験じゃん

よく分からん配慮要らないから

そういう小ボケ入れないでちゃんと話してよ」


「わかった

まあとりあえず、思いつく限りの贅沢をしてみたわけよ


それでさ、ずっとお金を使いまくってたら、途中で気づいちゃうんだよね

お金が沢山あっても、全てが満たされるわけじゃないんだなって」


「なるほどな、深いわ」


「でさ、なんか気分的にお金を使いたくなくなっちまって、豪遊もやめたんだ

そしたらさ、ありえないくらいの金が、大金がどんどん増えていったんだよな

貧乏性かな、使わないと勿体ない気がして、使わなきゃって思うんだよ

でも全く使い道が思いつかなくてさ

だからどうしようって迷ってたんだ」


「うん」


「それでなんかよくわからん方向に行っちゃってさ

あ、別に必要ないものに使ってもいいんじゃないかって

無駄遣いしちゃおうって」


「うわー、すごいなそれ」


「夢から醒める直前かな、札束を大浴場に大放出して、お金風呂を浴びたのよ

その時、ふと思ったんだ」


「あ、俺この話のオチわかった気がするわ」


「まじ?」


「まじ」


「じゃあ、せーので言おう」


「わかった」


「行くよ」


「うん」


「せーのっ」


「「金を湯水のように使うとはこのことか!」」

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