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4/7

猛獣に遭遇する。

 結論から言おう。




 ユラちゃん、調教済みでした……(驚)。


「SかMか」という定番(?)の質問であり、俺の性癖にも直結する質問を投げたところ、出るわ出るわ、過去のご主人様方とのあれやこれ。


「山田君ならどんな風にワタシを責めてくれるの」


 っておい。

 童貞(もう(いつわ)らない)には少々難易度がハードに過ぎる女(ベリーハード)だった。


 薄っぺらい知識を総動員してS男を演じてみたが、アレはご主人様の経験が無い事は見抜かれてるな。

 あのバカにしたような目。

 ちょっとゾクゾクするが……。

 童貞には荷が勝ちすぎてるって。


 という理由(わけ)で、席替えタイムを利用してとなりのセイナさんにターゲット変更――。


 セイナさん。

 雰囲気的に、さん付けしてしまう。

 某有名企業の受付嬢をしているらしい。

 ロングのストレート黒髪が美しい。

 うっわ、指細い! 長い! 肌がきめ細かい! まつ毛なっがい!

 セイナさんとの話題の糸口を探していたのだが、俺はとうとう猛獣(元ヤン)の目に()まってしまったようだ。


「お前、山田っていうんだろ? 童貞なんだって?」

「ば、ち、ちげーし」

岸本(きしも)っち情報によると彼女居たこと無いって聞いたけど?」

「おい、岸本ー! 何、俺の個人情報を勝手に話してくれてるわけ!?」

「山さん、すみません。ツカミのネタとして良い仕事でした」



 元ヤン(?)はプププと笑いながら、


「おい山田、こっち隣に座れよ。詳しく話をひたすら聞かせろ。ちょっとセイナ、こいつの話聞きたいから席移ってくれる?」


 セイナさんは元俺の席(男側中央)へ、元ヤンは元セイナさんの席(女側中央)へ、俺は元元ヤンの席(女側右側)へと移動する事になった。

 俺はガックリと肩を落としながら、元ヤンの隣に席を移した。

 厄介そうなヤツに目を付けられてしまったぜ――。




「――そんなビビんなって。アタシ超優しいキャラだから」


 そして、冒頭のシーンに戻る理由(わけ)だ。

 ちなみに、自分で「超優しい」という人間(やつ)が優しかった(ため)しなんて無いのは日本の常識である。


「で、山田っちの下の名前は?」


 くっ……下の名前まで教えないといけないのかっ……。


「い、一升(いっしょう)……」

「いっしょう! へー、意外とカッコいいじゃん。どんな漢字?」

「す、数字の(いち)に、米とかの量をはかる(ます)――」

「あぁ! お酒の『一升瓶(いっしょうびん)』の一升か! オメー意外に意外と超男らしい名前じゃん!」


 お、オメー呼びかよ。

 あと、誤魔化して説明しているのに、すかさず『一升瓶(いっしょうびん)』に気付くとは。

 勉強苦手そうなのに……。



「ま、まあ、そうだけど。『一升(いっしょう)』めちゃくちゃカッコ悪い名前だよね。正直、酒呑みの父親(オヤジ)を恨んでいるよ」

「へー。親父さんお酒好きなのか。てか、何言ってんだよ。超カッコいいじゃん。『生きて一升、死んで一升』って言うじゃん。カッコいい生き方の名言(めいげん)だよな!」


 それを言うなら『起きて半畳(はんじょう)、寝て一畳(いちじょう)』だろう――いや、酒呑み連中の格言か迷言なんかだろうか。



 ――それこそ亡き父親(おやじ)が本気で言いそうでイヤなんだが。





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― 新着の感想 ―
[良い点] ユラちゃん、調教済みでした…… なんと! そんな女の子とはどこで出会えるんですか! 羨ましい!
[一言] こういう肉食系のギャルも可愛いと思います!! というか女性をMにするのが好きですって? 主人公は主人公で充分過ぎるくらいぶっ飛んでますね!!
[良い点] いや、元ヤンちゃん実はめっちゃ良い子っぽいじゃないですかー! 一升くんがんばれ!
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