悪友に合コンに誘われる。
胸糞注意報発令!
クズ男2名のクズエピソードが登場します。
エピソードトークにご注意ください。
始まりは職場の喫煙所での、悪友の鈴木と岸本の会話だった。
「あー、梅雨は気が滅入る。セックルしてー。女抱きてー。という理由で岸やん、合コンすんべ」
「あ、いいっすね。ソープで手軽にでもいいすけど」
この二人は俺より3つは下で気が悪い奴らではないのだが、女関係になると明らかに人間が腐ったクズだ。
特にセックル発言をした鈴木に関しては嘘かマコトか年がら年中、女を何人喰った、3Pした、人妻をセフレにした――という自慢話ばかりしている。
明らかに、俺とは違う人種だが、この会社には男が3人しかいないため、こいつらと自然に行動するようになった。
「山さんもいきますよね? 3対3でセッティングしますんで」
鈴木というやつは、こっちが年上ということで丁寧語を使ってくるが、言葉の端々に舐められている感が滲み出ている。
今回の合コンも俺を呼ぶのはあくまで人数合わせと分かっている。
いつもの社外の合コンメンバーがどうしても都合が付かなかったから、らしい。
俺は女関係では戦力外と思われているのだろう。
しかし、俺はそんな事で怒ったりはしない。
俺は器の大きい男(を目指す男)なのだ。
「これで、山さんも童貞卒業できるかも知れないっすね」
「ばバカ言え、童貞ちゃうし」
そう。
今まで、童貞卒業するチャンスあったし。
3ミリだけ入ったことあるし。
あれをカウントするなら、童貞でないことになるし。
もう一人、俺を童貞扱いした男、岸本。
こいつは昔、友人グループで女を集団で襲ったことがあるらしい。
武勇伝なのか、罪の告白なのかで語っていたけど、正直引いた。
ドン引きした。
「自分は見張り役で仕方なかった。泣いているその子に『ごめんねごめんね』言いながらやった」
いつもへらへらして無害な人間を装っているが、岸本みたいな人間がこの世の中に何人もいるのかと思うと日本終わってる。
しかもコイツ曰く、警察に捕まってたりはしていないのだそう。
捕まっていないという事は、被害の相手は泣き寝入りだったんだろう。
もしかして顔見知りだったのだろうか。
その子の無念を思うと、憤懣やるかたない。
まあ「類は友を呼ぶ」という諺があるけど、俺も類に違わず底辺の人間である。
大学の講義についていけなくて、大学中退だし。
これまで生身の彼女なんて居たこと無いしな。
スマホの中のAV女優と二次元彼女オンリーだし。
何より、内心唾を吐いているこの二人と外面友人を演じているということが一番ダメポイントかも。
こんな人間性クズのヤツらより優れていると自分を慰めている俺。
本当は、この俺が一番のクズかもしれない。
なーんちゃって。
落ち込んだフリ、さ。
俺は芽が出る男! の筈。
きっと、いつか――。