プロローグ
中国による尖閣諸島侵略が実行された。時の政権はリベラル派であり、自衛隊の出動は絶望的。憲法問題から出動できない自衛隊はある計画を発動する・・・
2020年4月21日、尖閣諸島魚釣島(中国側呼称釣魚台)を突如中国軍が占拠。同日、中国軍広報官は釣魚台において捜索救難拠点の設置のための工事を開始した、と発表した。なるほど確かに上陸されたものは重機が多い。海軍陸戦隊の手で揚陸され、その周囲を海軍艦艇が囲んでいるという状態を除いては。これに対し日本政府は遺憾の意を発表する、といった抑制的な対応に終始した。このとき米第7艦隊は直ちに尖閣海域における航行の自由作戦を発動。しかし当の海上自衛隊は市ヶ谷、ひいては永田町の許可が下りず、なにも対応することができず、せいぜいが米軍の周辺に展開した海保船舶のさらに外側で様子見をすることがせいぜいだった。
では永田町、霞ヶ関はなにをしていたかというと、駐日中国大使を呼び出し、厳重に抗議、部隊を直ちに撤退させるよう要請するにとどまった。というのも、ときの民主自由党首相はリベラルを自称しており、自衛隊の出動には断固反対、対話で解決を目標に掲げていたのである。
これに対し米国側は与党共和党が対中強硬派であり、国務省もパンダハガーよりもニンジャスレイヤーが多く、直ちに航行の自由作戦が発動されたのだった。