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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

sas スタンド・アローン・スーサイド

作者: emo



ディアオ「私の名は、リ・ディアオ。

治安維持組織(ちあんいじそしき)監察官(かんさつかん)を務めている。

国籍は中国、年齢は24。

新卒で採用された。

これから初の任務に挑む。」


ディアオ「おはようございます!今日から監察官として配属された、リ・ディアオであります!士官殿、よろしくお願いします!」


技術士官「元気な若者が来てくれて嬉しいよ。初の任務、よろしく頼むよ。

早速なのだが、君には監査任務(かんさにんむ)に当たってもらう。

傭兵の監視なのだが…」


ディアオ「承知しております!

傭兵のメアリー・スーでありますね?

彼は非常に悪名高く、狡猾(こうかつ)な男だと聞いております。」


技術士官「きみは、コインに表裏がある事をご存知かな?」


ディアオ「え、それはどういう事でありますか?」


技術士官「彼は非常に凶悪ではあるが、上手く利用出来れば強力な助っ人となるんだ。

危険な任務になるかもしれないが、首席(しゅせき)の君でなければ出来ない任務なんだ。

是非とも力になってほしい。」


ディアオ「私に出来る事なら遂行致します!

期待にお応えします!」


技術士官「よろしい。

では早速勤務地へ向かってほしい。」


ディアオ「了解!」



技術士官(頭デッカチは動かしやすいな。

サブミッションは達成したとして、メインミッションの治安維持は順調に行くだろうか)


ディアオ「お前がメアリー・スーか。

これからお前の監査任務にあたる、リ・ディアオだ。

下手な真似はせず、傭兵の職務を全うしろ。」


メアリー「…」


ディアオ「おい」


メアリー「傭兵に職務なんて言葉はない。

邪魔をするならお前も殺す。」


ディアオ「傭兵風情が監察官に暴言を吐くな!」


メアリー「監察官…武器はあるのか?装備は?」


ディアオ「ライフルが一丁、我が組織のピップボーイが一つだ。」


メアリー「おいヒョロガリ、被弾しない自信があるようだな。

あるいはバカか。

その荷電粒子小銃(かでんりゅうししょうじゅう)は使えるが、その通信機は三世代前のやつだぞ。

はめられたな。」


ディアオ「そんなはずはない!私は士官学校を首席で…」


メアリー「人を撃ったことは!?」


ディアオ「…」


メアリー「はぁ、またハズレくじかよ、今回は報酬も出なさそうだな。

いいか、俺にくっついて行動しろよ。」


ディアオ「もちろんそのつもりだ。

お前がいつ逃げ出すか記録しておくつもりだからな。」


メアリー「いいかモヤシちゃん、パパの言う事をよく聞けよ。

これから殺しに行くターゲットはロボット三原則を無視した意思を持つオートマタだ。

名前はサニー13DUO(サニーサーティーンデュオ)、通称サニーだ。」


ディアオ「ロボットを殺すのか!

はっ!バカはお前だ!無機物を殺すのか!」


メアリー「ロボットは人のために働き、人を傷つけず、人のために尽くす。

こいつが三原則だ。

自分で勝手に考えて行動するんならそいつは生きてんだよ。

だから殺す。

そんな事もわからねぇのか首席ってやつは。」


ディアオ「うるさい…」


メアリー「勉強出来るんならもっと社会科見学でもしておくんだったな。

さっさと行くぞ。」


ディアオ「我々は、勤務地へ向かった。

そこはスラム街の奥、船着場(ふなつきば)沿いの廃倉庫だった。」


ディアオ「なんだ、ここは…植物が大量にあるな。

それからミキサー、フラスコ?」


メアリー「馬鹿野郎、フラスコじゃない、吸引機だ。

それから純正の大麻、THC(ティーエイチシー)だな。

タラクネ区では違法なはずなんだが、まあスラムを隠れ(わら)にするならうってつけだな。」


ディアオ「お前、まさか麻薬を悪用しているのか!?」


メアリー「バカも大概にしろ。

大麻は麻薬じゃない、違法なだけだ。

質問に答えてやるなら半分当たり、半分ハズレだ。

あとは答える気なんかない。」


ディアオ(こいつまさか、違法薬物の売買をしたのか?

あるいは吸引したのか?)


ディアオ「おい、任務が終わり次第お前は人の手で裁く。

法の下に厳粛(げんしゅく)にな。」


メアリー「お前は自分の心配を…」


銃声が響く


メアリー「サニー!やっぱりお前か!!!」


ディアオ「サニー13DUO!お前を法の下に裁く!

潔く解体されろ!」


サニー「旦那ー!ごめんね〜!

殺しに来るなら抵抗しなくっちゃいかんのよね!」


メアリー「ガラクタが大麻さばいてんじゃねぇ!」


ディアオ「機械が違法薬物を売買しているのか!?」


サニー「誰君ぃ?メアリーの旦那の愛人かなぁ?

僕の仕事の邪魔しちゃダメだよー。」


メアリー「おいモヤシ!一旦逃げるぞ!」


ディアオ「一体、どうして奥へ逃げるんだ!」


メアリー「ついでだよ!早く来い!」


サニー「あっはっは、そっちは袋小路(ふくろこうじ)だよ〜!

旦那ぁ、らしくないねぇ!」


ディアオ「我々は倉庫の奥へ隠れた」


ディアオ「う、うわ!なんだこれは!」


メアリー「はー、またあいつの悪い癖かよ…」


ディアオ「お前、この頭と腹部をめちゃくちゃにされた遺体を知っているのか!」


メアリー「脳と腸だ」


ディアオ「な、どういう事だ!」


メアリー「サニーは頭がいい。

脳は細胞の一つ一つがスーパーコンピューターのようになっている。

腸は第二の脳と呼ばれている。

あいつは二つの臓器を摂取してロボット三原則に反した存在になったんだよ。」


ディアオ「そんなばかな…まるで化け物じゃないか…」


サニー「ひどいなぁ、化け物じゃないよ。

僕はデウス・エクス・マキナになるんだよねぇ。」


ディアオ「おい来てるぞ!傭兵!」


メアリー「よっしゃあ!ぶっ殺してやる!」


ディアオ(デウス・エクス・マキナ…?)


ディアオ「メアリースー!何故天井を撃つ!?」


メアリー「衛星にアクセスすんだよ!

監察官だかしらねぇが、ピップボーイの使い方もしらねぇのか!

早く衛星にパワードスーツを要請すんだよ!」


ディアオ「パワードスーツなんて…!」


メアリー「俺んだボケ!早くしろ!」


ディアオ「HQ!技術士官殿!

パワードスーツを一着要請する!」


メアリーはパワードスーツを装着する


メアリー「よっしゃあ!サニー!

殺し合おうぜ!」


サニー「その方が旦那らしいよ!

さあおいでよ!」


ディアオ(こいつら、殺し合いを楽しんでいる!?

今のうちに死傷者(ししょうしゃ)が出た事を報告しなくては!)


ディアオ「士官殿!身元不明の遺体を発見した!

傭兵はターゲットのオートマタと戦闘中であります!」


技術士官「…」


ディアオ「士官殿…?」


技術士官「いたずらに通信機を使わない事だ。

それはおもちゃじゃない。

ターゲットの殺害が成功した際に報告をする事だ。」


ディアオ「そんな…」


メアリー「くたばれ!」


サニー「いったいねぇ!

旦那はやっぱり強いや。

いっつも対人戦じゃ飽きちゃうでしょ、だから僕のデウス・エクス・マキナを見せてあげるよ!

3、5、8の神聖数字の犠牲者のもとに顕現(けんげん)宣言(せんげん)する。

旦那、死んでね!」


メアリー「サニー、お前…」


サニー「これが僕のデウス・エクス・マキナ!

潔く諦めてね!」


ディアオ「化け物、化け物め!」



メアリー「うおああああ!!!」


ディアオ「メアリー!!!!」


サニー「旦那ぁ、今日でお別れかぁ。

長い付き合いだったね。

バイバーイ。」


ディアオ「そんな…化け物に勝てるはずがない…」


メアリー「監察官、名前は?」


ディアオ「生きていたか!」


メアリー「答えろや…」


ディアオ「リ・ディアオ、中国人だ。」


メアリー「ディアオか、死ぬ前に小隊名を考えた。

sas、スタンドアローンスーサイドだ。」


ディアオ「そんな状態で軽口を叩くな…もう休め…」


メアリー「ルーキー、パパの言う事をよくきけ…所詮機械神なんて言ってもただのサイボーグだ。

ウィークポイントは関節だ。

ディアオ、お前が仕留めろ」


サニー「メアリーの愛人ちゃん!

君も潔くくたばってね!」


ディアオ「メアリー、関節だな。

お前を信じるよ。」


メアリー「自分を信じろエリート野郎!」


ディアオ(私は首席卒だ、訓練を思い出せ!)


ディアオ「監察官が命ずる!

治安維持のもとに、サニー13DUO、貴様を解体する!

大往生だぞクソッタレええええ!!!!」


サニー「わ、ああああ、僕の腕が…」


メアリー「ざまあねぇなクソガラクタ!

おいモヤシ!

装備だけは一人前だな!」


ディアオ「死体が喋んじゃねぇ!

行くぞオラ!

次弾装填!」



サニー「ぎゃあああああ!僕の両足が!」


メアリー「おいサニー!

あんよがお留守だぜぇ!

先に地獄で待ってろや!」


ディアオ「これで最後だ殺してやる!

あ。」


メアリー「お?」


ディアオ「弾切れだ…」


メアリー「おいいいいい!!!!

バカこの!!!!」


サニー「あっはっはっは!

あと少しだったね!

僕は帰るよ!

また遊ぼうねー!」


ディアオ「片腕で逃げてる!気持ち悪い!」



メアリー「…」


ディアオ「メアリー!!!!」


メアリー「生きてるよ、騒ぐな。」


ディアオ「良かった」


メアリー「体いてぇ、ヒョロガリ、パパの言う事を…」


ディアオ「それやめてくんない」


メアリー「はいはい、これから衛星通販でテントやら布団やら頼むわ。

お前は大麻とミキサーと吸引機持ってこい、お前も一発キメるか?」


ディアオ「持ってくる、私は大麻はいいよ…無傷だし。

ここで寝泊まりするのか?」


メアリー「ああ、大麻は鎮痛薬(ちんつうやく)になるし、キメたら眠くなる。

しばらく休んだら勝手に消えるわ。

それからヒョロガリ。」


ディアオ「なんだ?はあ、私らしくない」


メアリー「ディアオ、最高にクールだったぞ」


ディアオ「うるさい!」


ディアオ「それから私は治安維持組織(ちあんいじそしき)を辞めた。

上司は私共々メアリーを消すつもりだった。

メアリー・スーとサニー13DUOの消息は分かっていない。

今の私は軍隊で狙撃手として活躍している」


end

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