初めてのダンジョン3
~親愛なる息子へ~
この手紙を読んでいるということは私はもうこの世にいないのだろう。
そして私と同じようにダンジョンに心を奪われてしまったのだろう。
箱に入れたカード、妖精のカードはプレゼントだ。妖精は気まぐれだが友好的で便利な魔法を使いこなし多くの探究者のパートナーとも呼べる存在だ仲良く大事にしてくれると私も嬉しい。
もう一枚の黒いカードこれは父から息子への挑戦状だとでも思ってくれ。ダンジョンの深くで見つけたのだが封印がかかっていてどんなカードなのかすらわからない。
探究者を始めるのに気を付けるべきポイントを二枚目に纏めておいたから活用してくれ。
遥がダンジョンでいい冒険ができることを願っている。
「手紙でも相変わらずの口下手なんだな父さんは」
懐かしさを感じつつ二枚のカードを手に取る
「この挑戦状受けて立つよ。このカードが何なのか父さんも気になるだろうしね」
手紙の二枚目に軽く目を通すと探究者の心構えから持ち物まで箇条書きでびっしりと書かれていた
手紙の本文より多いじゃないかと笑みを浮かべると手紙を閉じた
「もういいの?」
「うん、明日までにしっかり読み込むけどとりあえず父さんからのアドバイスに従おうと思って」
妖精のカードを手に取る
・探究者試験の前に召喚型カードを使い少しでも相手を理解し仲を深めなさい
・召喚したモンスターを大切にしなさい
そんなこと、いわれなくてもわかってるさ俺は父さんの息子なんだから
「俺の最初の仲間を召喚する」