初めてのダンジョン2
「母さん、俺探検者になりたいんだ」
そう告げた俺に、母さんは懐かしむような表情を見せた
「そう……私は反対よわざわざ危険なダンジョンにいく必要なんて無いわ。父さんだって後を継いでほしいなんて思ってないはずよ」
父さんはダンジョンが出来て一般として最初にダンジョンに入った第一陣と呼ばれる人達の一人だった
情報もカードも少ない中多くのダンジョンを探検し後続に道を作った第一陣を多くの人が尊敬している、もちろん俺もだ。
そんな中で生き残り多くの戦果を上げてきた父さんは5年前にダンジョンから帰ってこなかった。
熟練の探検者だった父さんがそのとき探索していたダンジョンはそれなりの難易度ではあったが、過去には更に難度の高いダンジョンを攻略していたと聞く。
実際に慣れ親しんだダンジョンや安全マージンをとった簡単なダンジョンで命を落としたなんて話はざらだ
「ごめん、けどどうしてもダンジョンのことが頭から離れないんだ。」
母さんは呆れたように息をついた
「ホントはね、わかってたのよ遥が探検者になろうとしていることを。お年玉もおこずかいもずっと貯めてたし、何よりダンジョンのニュースが流れると父さんと同じ目をしてるんだもの」
数秒間目をつぶった後母さんは少し待ってなさいと言って部屋から小さな箱を持ってきた
「これを父さんが、もし遥が本気で探索者になりたいなら渡してほしいって言っていたの。私にも何がはいってるかわからない」
「父さんが……」
母さんから受け取った箱はずっしりとした重さを感じる
無骨な箱を開ける慎重に開けるとそこには二枚のカードが入っていた
「これは、妖精の召喚型と黒いカード?」
妖精のカードは人気が高いため高価ではあるがそこまで希少ではない、しかし表面が黒く塗りつぶされたカードなんて見たことも聞いたこともないため興味を惹かれた
「まだ箱に何かあるわよ」
そう言われて箱のそこをみると、懐かしい父さんの字で遥へと書かれた手紙が入っていた