先人からの助け
大図書館の中を歩きだしてから3時間が経った。入り口から差し込んでいた日の光はとっくに届かなくなり、前も後ろも本棚と本棚の間に掛けられている魔導蝋燭の明かりがあるだけでほぼ真っ暗のようなものだ。元は図書館全体に明かりがついていたのだが、明かりも老朽化し、現在では整備が追い付かず、入り口付近の明かりが図書館内を照らしているだけで、図書館の奥は、昼夜問わず暗闇状態である。国民の間では、例のが出るとか出ないとかささやかれているらしい。久しぶりに図書館の奥にやって来たが、本当に出るのではないかと思うほどの暗さだった。
[主よ。いつになったらたどりつくのですかを?]
「あと2時間」
[そんなにかかるのですか!]
サミルが叫ぶ
「お前はゆっくりしてろよ。動かなくていいんだしよ」
[確かに、そうですね]
(遠慮ないな。少しは否定してくれよ)
しばらく歩いているとサミルが黙る。おそらく眠ったのだろう
「さあ、あと一息頑張るか」
暗闇の中を、進む程に強さを失っていく蝋燭の光を頼りに歩いていると、俺の前に一際巨大な古びた本棚が現れた。
本棚は黒く塗装され、縁には宝石が飾られていた
「これか」
俺は本棚に立て掛けてある梯子を棚に掛けると、本棚に登る
一通り本棚を調べてみて分かった事は、この本棚にはブラムドに伝わる伝承などを記した書物が納められていることだ。しかし、本棚を隅から隅までくまなく探しても、神獣について記された書物はどこにも置かれていなかった
「おかしいな。あるとしたらここなんだが」
俺は仕方なく、ブラムドの神について記された書物を集めてみる。
「何だこれ。全部何かのページが千切られてるじゃないかよ」
俺が集めた書物は、全てある項目のページが千切られていた。
「このページには何か知られたらまずい情報でも......そうか」
俺はサミルの言葉を思い出す
種族達は神獣を倒し、その存在を隠して、自分たちが思い出さないために、神獣の存在を知るものが神獣を目覚めさせないために、子孫たちに知られないようにしたのだ
「これもその考えか」
神獣について記されたページを切り取って、神獣の存在が気づかれないようにしたのだろう
(生意気な奴らだ)
俺は舌打ちをする
「こんなとこにいても時間がもったいない。早く図書館を出よう......っと、その前に書物を......あ」
俺が書物をしまおうと本棚を見たとき、あることに気づいた
「この本の抜けた後って」
俺は本棚に梯子をかける
「他は書物が置かれているのにここだけ本が置かれてる。それもおとぎ話だ」
俺がその本を引き抜くと、本棚の奥に書物が置かれていた
「あれは......」
俺はその書物を取り出す
「やっぱり」
書物には、神獣についての事が記されていた
「誰だかは知らないけど。よく考え付いたな。感謝だぜ」
本棚に空いた書物を抜いた後は、矢印の形をしていて、その矢印の先端の指す場所だけが書物ではないおとぎ話の本だったのだ
「これで神獣について知れる。へへ。待ってろよ、俺が世界の真実を突き止めてやる」




