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神宿りの旅人  作者: rip
偽装風習商場 セレティア
34/37

迷子探し

レナに手を引かれるまま跳ね橋を渡り、セレティアの街に入る

水路を挟んだ二つの通りには多くの出店が並び、行き交う人々は皆楽しそうに歩いている


「すごい!こんなにたくさんの人が」

「そうか?これくらいが普通だと思うが」

「バルネアの村は人が少ないから」

「ああ、お前は村から出たことがなかったんだっけか。それなら無理もないな」


隣で目を輝かせているレナに苦笑しながら、通りを進む


「勝手にどこかに行くなよ。はぐれたら大変だから」

「分かってるよー」


レナは初めての大きな街に興奮して、そこら中の出店を見て回っている

言ったそばから迷子になりそうで心配になる


「この匂いは」


小麦の優しい匂いが鼻をくすぐった

俺が匂いの方を向くと、出店の一つが目に入る。

人の肌のように白と、それを包む茶色い耳。


「サンドイッチだ!」


俺は屋台に向かって一直線に進む。


「いらっしゃい、ご注文はなんでしょうか」


若い女性が笑顔で出迎えてくれる


「一角兎のサンドイッチを二つ」

「かしこまりましたー」


............

「ありがとうございましたー」


女性の笑顔に見送られ、店を離れる。


「.........」

(やっぱりか)


いくら好物とはいえ、一時でもサンドイッチに気をとられた自分を恥じた。

レナがいなくなっている。


「どこいったんだあいつ」


辺りを見回すが、レナの姿は見えない

しばらく立ち止まって考える。

レナは待っていればここに戻ってくるだろうか。

おそらく日がくれるだろう。

それ以前にレナはこういった街に来たのが初めてだと言っていた。ガラの悪い連中に絡まれでもしたら、何をされるかも分からない。


「俺が見てなかったのが悪い。探そう.......」


通りを見たところ、彼女らしき女性の姿は見当たらない。

門に近い位置にはいくつも船着き場が用意されているようだが、奥には家がいくつも並んでおり、いりくんでいる

セレティアは街の領地が狭く、東西の入り口の付近には交易のために複数の船着き場や店が置かれているが、中心の大噴水広場と神殿を除いた住宅地には、スペースを無駄にしないように家が密集している。そのため路地の隙間は薄暗く、安全とは言えないらしい。

不幸なことに収穫祭の時期は街の住民のほとんどが店を出すため、セレティア一帯に出店が広がるのだ。

レナが出店を巡って住宅地に入った可能性がないとは言い切れない。

俺は住宅地に向かって歩き出す


「本当に手作業一筋なんだな」


住宅地に入っても、通りの間を流れる運河は陽の光を反射して美しく輝いている。

セレティアが水の都と呼ばれるのは、豊富な水資源とその美しい水の存在があるからである。

セレティアに住む者達は、水をとても大切にしており、水を汚す原因となる油を一切使用しないのだ。


「それどころじゃない。早くレナを見つけないと」


目的を思いだし前を向いた時、少し先の船着き場に座り込んでいる少女の姿が見えた。

膝を抱いて顔を埋めている彼女は何か思い詰めているようだった


(.......何かあったのか)

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